10:45 〜 11:00
[SCG48-06] 西部赤道太平洋のライラトラフの海底地形と地殻構造
キーワード:ライラトラフ、オントンジャワ海台、海底地形、重力異常、地殻構造
西太平洋の赤道付近に存在するオントンジャワ海台は、現存する巨大海台の中で最大の面積を持つ。この海台は、マニヒキ海台とヒクランギ海台と共に、1つの超巨大海台が白亜紀スーパークロンの間に分裂して形成されたことが提案されている(例えば、Taylor, 2006)。この考えを検証するためには、海台周辺の海盆(ライラ海盆、東マリアナ海盆、ナウル海盆、スチュワート海盆、エリス海盆)の形成過程を詳細に明らかにする必要がある。磁気異常縞模様から、東マリアナ海盆とナウル海盆はジュラ紀後期から白亜紀初期(159-123 Ma)の間に形成されたと考えられている(Nakanishi et al., 1992)。一方、ライラ海盆とスチュワート海盆に関しては、磁気異常縞模様や放射性年代などに関する情報がないため、その形成過程はまだ解明されていない。本講演では、海底地形と重力異常から得たライラ海盆の形成過程に関する新たな知見を報告する。
ライラ海盆は、オントンジャワ海台から西方に向かって深くなり、水深は4000 mから5500 mまで深くなる。ライラ海盆の西部にはライラトラフが線状に延びており、全体的な走向は北北西-南南東方向である。ライラトラフの起源は、太平洋プレートとカロリンプレート間の沈み込み帯(例えば、Hegarty et al., 1983)あるいはトランスフォーム断層(例えば、Hegarty and Weissel, 1988)であると提案されている。これらの提案に関する議論は、いまだ決着していない。
本研究で使用したデータは、1996年から2022年にわたり国内外の研究機関の研究航海においてマルチビーム音響測深機によって取得された海底地形データ、衛星高度計観測から算出された重力異常データ(Sandwell et al., 2014)の最新版、研究船「みらい」による研究航海MR14-06で取得されたマルチチャンネル反射法地震探査の記録である。重力異常のモデル計算には、Talwani et al.(1959)の方法を用いた。
ライラトラフの東縁の一部には直線状の高まりが存在する。その走向は、トラフの走向とは異なる。また、東縁には複数の海山が存在する。マルチチャンネル反射法地震探査の測線に沿った重力異常に関するモデル計算から、ライラトラフの西側と東側で地殻の厚さに大きな違いがないことが判明した。本研究結果から、ライラトラフは断裂帯、すなわち、トランスフォーム断層の痕跡であると考えられる。
ライラ海盆は、オントンジャワ海台から西方に向かって深くなり、水深は4000 mから5500 mまで深くなる。ライラ海盆の西部にはライラトラフが線状に延びており、全体的な走向は北北西-南南東方向である。ライラトラフの起源は、太平洋プレートとカロリンプレート間の沈み込み帯(例えば、Hegarty et al., 1983)あるいはトランスフォーム断層(例えば、Hegarty and Weissel, 1988)であると提案されている。これらの提案に関する議論は、いまだ決着していない。
本研究で使用したデータは、1996年から2022年にわたり国内外の研究機関の研究航海においてマルチビーム音響測深機によって取得された海底地形データ、衛星高度計観測から算出された重力異常データ(Sandwell et al., 2014)の最新版、研究船「みらい」による研究航海MR14-06で取得されたマルチチャンネル反射法地震探査の記録である。重力異常のモデル計算には、Talwani et al.(1959)の方法を用いた。
ライラトラフの東縁の一部には直線状の高まりが存在する。その走向は、トラフの走向とは異なる。また、東縁には複数の海山が存在する。マルチチャンネル反射法地震探査の測線に沿った重力異常に関するモデル計算から、ライラトラフの西側と東側で地殻の厚さに大きな違いがないことが判明した。本研究結果から、ライラトラフは断裂帯、すなわち、トランスフォーム断層の痕跡であると考えられる。