[S-CG48] 海洋底地球科学

[SCG48-16] 沖縄トラフ南部での海洋地球科学総合観測：白鳳丸KH-23-11航海速報

*大坪 誠¹、木下 正高²、池原 実³、新井 隆太⁴、三澤 文慶¹、高下 裕章¹、亀尾 桂⁵、田村 千織⁵、戸田 亮二⁵、Stephen P. Obrochta⁶、鹿児島 渉悟⁷、土岐 知弘⁸、桑野 太輔⁹、藤島 誠也⁹、山本 朱音^1,10、野村 夏希¹¹、小山内 彩¹¹、河野 敬太¹¹、井熊 一翠¹¹、尾内 千花¹²、宮本 祐成¹²、平良 優佳⁸、宮城 裕⁸、佐藤 蒼真⁶、西本 桃子^13,1、中野 幸彦¹⁴、井和丸 光¹⁵、鈴木 由布¹⁶ (1.産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2.東京大学地震研究所、3.高知大学海洋コア国際研究所、4.海洋研究開発機構、5.東京大学大気海洋研究所、6.秋田大学、7.富山大学、8.琉球大学、9.京都大学、10.日本大学、11.高知大学、12.千葉大学、13.日本女子大学、14.株式会社マリン・ワーク・ジャパン、15.日本海洋事業株式会社、16.MOLマリン＆エンジニアリング株式会社)

キーワード：沖縄トラフ、背弧海盆、正断層、琉球弧、科学掘削

本発表では、速報として、2023年12月28日から2024年1月11日まで実施された沖縄トラフ南部での白鳳丸KH-23-11航海の概要を報告する。
沖縄トラフ（東シナ海）は、ユーラシアプレートに位置する背弧海盆であり、200 万年前から断続的な拡大（リフティング）が生じている大陸地殻が薄化する初期段階のステージである。この段階において、どのように地殻が薄くなるのか、それを促進する要因が何かは明らかにされていない。本研究では、背弧海盆発達初期での断層沿いの流体移動と熱によって引き起こされる地殻の強度弱化の可能性に注目する。
KH-23-11航海では、沖縄トラフで最も拡大プロセスが進む南部の八重山海底地溝および与那国海底地溝を中心に、地溝下の三次元構造把握およびトラフ中心部の沈降度合いの把握、トラフ充填堆積物取得、温度構造・マグマ上昇地点の把握、正断層を介した流体循環モデルの検証、などを目的として、(1) 反射法地震探査、(2) ヒートフローピストンコアラーによる観測及び採泥、(3) ヒートフロー観測、(4) マルチプルコアラーによる採泥、(5) マルチビーム音響測深機、SBP を用いた調査、(6) 曳航式プロトン磁力計、船上三成分磁力計、船上重力計による観測、(7) XCTD 観測、(8) CTD 観測及び採水、(9) プランクトン採取を実施した。

謝辞：海洋研究開発機構の運航部の皆様、東京大学大気海洋研究所の関係者の皆様、白鳳丸の皆様のご尽力により、本航海を実施できたこと、心より御礼申し上げます。