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[SCG50-P05] 機械学習による津波誘導磁場の検出の試み

キーワード:津波誘導磁場、機械学習
地球主磁場中を良導体である海水が津波として運動する際には、電磁場が生じることが知られている(e.g., Tyler, 2005)。この津波の発生に伴って生じる電磁場は、津波誘導磁場と呼ばれる。津波誘導磁場は、津波波高よりも先に観測されること、津波誘導磁場から津波波高、伝播方向を推定できることが明らかになっており(Lin et al. 2021)、津波の早期警戒への応用が期待されている。しかし、津波誘導磁場の観測例はS/N比の大きい巨大津波イベントに限定される(e.g.,Toh et al. 2011)。加えて、津波誘導磁場の検出は周波数領域または時間領域での目視で行われており(Schnepf et al. 2016)、データ中の津波誘導磁場の同定も困難な現状がある。
本研究では、津波誘導磁場検出の新しい手法として機械学習による検出を試みた。津波誘導磁場自動検出の第一歩として、磁場時系列中の津波誘導磁場の有無を判別する機械学習モデルの作成に取り組んだ。機械学習の⼀種である教師あり学習を採⽤し、機械学習モデルの学習⽤データを⼤量に作成した。学習⽤データは、津波誘導磁場成分を含むものと、含まないもの2種類を同数作成した。磁場データの津波起因成分は、津波電磁場シミュレーション(Minami et al. 2017)により作成し、平時の観測磁場データを津波起因成分を含まない磁場データとして使⽤した。これら2種類のデータそれぞれに正解ラベルを付し、学習⽤データとして機械学習モデルに与え、訓練を繰り返した。ここでの正解ラベルとは、0か1のスカラー値で、津波誘導磁場を含むデータに1を、含まないデータに0を付した。1次元畳み込みニューラルネットワークを⽤いた機械学習モデルでは、テストデータ(訓練⽤データとは別に取り分けた、機械学習モデルの性能検証のためのデータ)に対して約85%と⾼い正解率を記録した。ここでの正解率とは、与えた⼊⼒データと正解ラベルとの⼀致率である。本研究では、作成した機械学習モデルを実際の磁場観測データに適⽤して、津波誘導磁場の検出精度を確かめた。2006, 2007年千島沖地震に伴って発⽣した津波イベントを対象に、毎分値データを⽤いて作成した機械学習モデルをフィリピン海で得られた磁場データに、また、毎2分値データを⽤いて作成した機械学習モデルを北⻄太平洋海底観測点(NWP)で得られた磁場データに応⽤した。その結果、観測点NWPにおいて、津波誘導磁場現象発⽣に該当する期間に、津波誘導磁場が存在するという検出結果を得た。本発表では、実際の磁場観測データに対する機械学習モデルの検出精度について、津波磁場シグナルのS/N比の観点から、詳しく報告する。
本研究では、津波誘導磁場検出の新しい手法として機械学習による検出を試みた。津波誘導磁場自動検出の第一歩として、磁場時系列中の津波誘導磁場の有無を判別する機械学習モデルの作成に取り組んだ。機械学習の⼀種である教師あり学習を採⽤し、機械学習モデルの学習⽤データを⼤量に作成した。学習⽤データは、津波誘導磁場成分を含むものと、含まないもの2種類を同数作成した。磁場データの津波起因成分は、津波電磁場シミュレーション(Minami et al. 2017)により作成し、平時の観測磁場データを津波起因成分を含まない磁場データとして使⽤した。これら2種類のデータそれぞれに正解ラベルを付し、学習⽤データとして機械学習モデルに与え、訓練を繰り返した。ここでの正解ラベルとは、0か1のスカラー値で、津波誘導磁場を含むデータに1を、含まないデータに0を付した。1次元畳み込みニューラルネットワークを⽤いた機械学習モデルでは、テストデータ(訓練⽤データとは別に取り分けた、機械学習モデルの性能検証のためのデータ)に対して約85%と⾼い正解率を記録した。ここでの正解率とは、与えた⼊⼒データと正解ラベルとの⼀致率である。本研究では、作成した機械学習モデルを実際の磁場観測データに適⽤して、津波誘導磁場の検出精度を確かめた。2006, 2007年千島沖地震に伴って発⽣した津波イベントを対象に、毎分値データを⽤いて作成した機械学習モデルをフィリピン海で得られた磁場データに、また、毎2分値データを⽤いて作成した機械学習モデルを北⻄太平洋海底観測点(NWP)で得られた磁場データに応⽤した。その結果、観測点NWPにおいて、津波誘導磁場現象発⽣に該当する期間に、津波誘導磁場が存在するという検出結果を得た。本発表では、実際の磁場観測データに対する機械学習モデルの検出精度について、津波磁場シグナルのS/N比の観点から、詳しく報告する。