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[SEM12-14] 活断層に沿う低比抵抗比帯の要因:阿寺断層でのケーススタディ
キーワード:活断層、帯磁率、比抵抗
多くの活断層では、断層コアおよびダメージゾーン(いわゆる断層破砕帯)が低い比抵抗を示すことが報告されている。断層沿いの低比抵抗沿いの要因としては、1) 断層運動で岩盤が破砕されることにより、岩盤の含水率が上昇したため、2) 断層運動により断層コアやその周辺に粘土鉱物が生じるため、とされている。しかしながら、間隙水と粘土鉱物のどちらが低比抵抗の要因として支配的なのかについては、研究が進んでいない。そこで本研究では、地表の活断層露頭において、物性測定や鉱物同定を行うことで、断層沿いの低比抵抗の主要因を議論する。調査対象は、岐阜県に位置する阿寺断層である。ここでは、活断層露頭について詳しい調査がなされいる(Niwa et al., 2016; Zwingmann et al., 2024)。本研究ではこれらの情報に加えて、1) 帯磁率の測定、2) XRD分析、3) 電気探査による比抵抗測定などを実施した。本発表ではこれらの結果を紹介するとともに、現時点で、断層沿いの低比抵抗として妥当と思われる要素について議論・考察を行う。