[S-EM12] Electric, magnetic and electromagnetic survey technologies and scientific achievements

[SEM12-P13] 雲仙地熱地域での高密度AMT探査

*山下 凪¹、後藤 忠徳¹、石須 慶一¹、馬越 孝道²、佐々木 裕³ (1.兵庫県立大学、2.長崎大学、3.雲仙市)

キーワード：地磁気地電流法、地熱地域、雲仙

地熱地域では、熱水が割れ目（活断層）に沿って上昇し、地熱変質層の下に地熱貯留層が存在することが知られている。雲仙温泉は雲仙火山の中腹に位置する火山性の温泉地である。雲仙温泉では、地熱変質層が地表に露出している場所(地獄)がいくつかあり、噴気孔が存在する。しかしながら、雲仙地域の地下浅部における地熱変質層の分布や、フラクチャと熱水循環の関係は明らかにされていない。地熱地域における地下数kmまでの比抵抗構造の推定には、audio-frequency magnetotelluric（AMT）探査がよく用いられる。既往研究では、地下比抵抗構造から地熱変質層や地熱貯留層の分布を明らかにされている。本研究では、雲仙温泉地域において、観測点間隔約50から150mの高密度AMT探査を83地点で実施し、深さ1km以浅の詳細な地下3次元比抵抗構造を推定した。地表下の低比抵抗体が温泉地域や噴気孔付近の地表に達することがわかった。このように、高密度AMT調査により、地下浅部の地熱システムを明らかにできる。