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[SGL19-05] 房総半島南端に分布する海成更新統の松山逆磁極帯下位層準で検出された地磁気エクスカーション
キーワード:松山逆磁極期、地磁気エクスカーション、海洋同位体層序、房総半島
本研究では,Konishi and Okada (2020)によって磁気層序が報告されている南房総市千倉町の小松寺の脇を流れる沢沿いに露出する海成層において,Feni正磁極亜帯の下位における約30mの層厚区間より約10cm〜1mの層厚間隔で,シルト岩層を対象に44層準より直径2.5cmのミニコア試料を計133本採取し,岩石磁気学的実験及び古地磁気測定を行った.古地磁気測定において,本研究では先行研究 (Konishi and Okada, 2020)によって当該地層に有効なことがわかっている250℃の熱消磁と段階交流消磁の組合せたハイブリッド消磁を用いることとした.その結果から算出した平均磁化方位は約16°の東編を示した.この値を用いて構造回転の影響を除去し,得られた偏角・伏角からVGPの緯度・経度を算出した.その結果,VGP緯度が−45°から+45°の範囲となり,RPIの減少が見られる地磁気エクスカーションと判断できる区間が連続して二つ存在することが確認された.当該層準で得られている酸素同位体カーブを用いた暫定的な年代モデルによると,検出された2つのエクスカーションの年代は,それぞれ約2.173Ma,約2.176Maと算出された.当該年代付近に地磁気エクスカーションの報告はこれまでないことから,今回検出された2つの連続したエクスカーションは新発見のものと考えられる.