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[SIT14-P19] 第一原理計算に基づくULVZ条件下メルトの構造及び力学的安定性
キーワード:第一原理MD計算、超低速度層、メルトの物性
地球深部の核-マントル境界(CMB)にはULVZと呼ばれる地震波超低速度層が地震学的に観測されており、その成因として局所的な液体の存在が提案されている。例えば溶融マントルがULVZの成因だとすれば、マグマはCMB条件で力学的に安定である必要があり、そのためには核とマントルの中間的な密度を有する必要がある。そのような高密度マグマはどの様な化学組成を持つのか?また、ULVZの正体がそもそも何であるか?これらを初めとして現在でも多くの謎が残っているが、ULVZ条件下(圧力135.8GPa、温度4000〜5000K)の液体の物性を実験的に予測する事は現状ほぼ不可能である。そのため、本研究では第一原理MD法を用いることでいくつかの岩石組成(MORB,Pyrolite,KREEPなど)のメルトの密度や原子構造を定量的に決定した。複数の岩石を比較する事でCMB条件下におけるメルトの密度を規定する主要因を考察し、それをULVZが安定するために必要な密度条件に適応することでULVZが持つ組成への制約を与えた。