17:15 〜 18:45
[SRD20-P03] 衛星スペクトルデータの高空間分解能化及び鉱物解析のためのアプリケーションの開発
★招待講演

キーワード:分光法、画像レジストレーション、資源探査
人工衛星は地表数百キロメートル上空から地表を観測しているため、特に光学衛星の場合地表解像度が低くなってしまう。特に資源探査で用いられることの多いスペクトルカメラについては、空間解像度と波長解像度の間にトレードオフの関係があり、問題となっている。ハイパースペクトル画像とマルチスペクトル画像を融合することによってスペクトル画像の高解像度化するアプローチなどが先行研究として提案されている。しかしながら同一シーンを撮影する必要があることや生成されるスペクトル画像が合成データであることなどデータ利用についていくつかの制約がある。これを解決するために、筆者らは人工衛星と地表との間の低高度から撮影された、より空間解像度が高いスペクトルデータを組み合わせることによって高分解能のスペクトルデータを構築するプロトコルを提案した。
本発表では、それら高解像度化のプロトコルのために構築したアプリケーション及びユースケースとして高解像度化されたスペクトル画像の解析手法について新たに紹介する。提案するアプリケーションでは、スペクトル画像同士を合成するのではなく、位置合わせのみを行うことで散発的に収集されてきたスペクトル画像群の処理を可能とする。加えて、データを合成しないため、撮影されたピュアなスペクトル画像を使用することが可能となる。位置合わせ手法としては、高高度から撮影した低空間分解能スペクトル画像をFixed画像(Fixed image)とし、低高度(研究サイトにおいてFixed画像より低空から撮影されたスペクトル画像)撮影した高空間分解能スペクトル画像をMove画像とした。そしてそれらからRGB画像を生成し、ペア画像間で特徴点抽出を行った。その後、(1)特徴検出、(2)特徴マッチング、(3)変換モデルの推定、(4)画像のリサンプリングの変換というステップを経てスペクトル画像の位置合わせを行った。低空から撮影された画像の空間分解能を維持しつつ、より高空から撮影されたスペクトル画像に一致するよう位置合わせを行った。高度差によってはデータの解像度が著しく異なるため特徴点抽出を自動で行うことが困難になる。本研究において使用したスペクトル画像は高度差が大きいため手動で特徴点を選択し位置合わせを実施した。また、撮影姿勢に起因する位置合わせのエラーを解決するために、スペクトル画像の鳥瞰画像変換技術を新たに提案し、位置合わせプロトコルに適用した。
さらに、これらプロトコルを経て構築された高解像度スペクトル画像について、筆者らが構築したスペクトル解析アプリケーションを用い、機械学習ベースのスペクトル処理技術を適用し鉱物同定を行った。本研究の実施によって地表の鉱物や重金属濃度などを同定可能な、スペクトルデータを用いたリモートセンシング技術の基盤となるアプリケーションの提案を行う。
本発表では、それら高解像度化のプロトコルのために構築したアプリケーション及びユースケースとして高解像度化されたスペクトル画像の解析手法について新たに紹介する。提案するアプリケーションでは、スペクトル画像同士を合成するのではなく、位置合わせのみを行うことで散発的に収集されてきたスペクトル画像群の処理を可能とする。加えて、データを合成しないため、撮影されたピュアなスペクトル画像を使用することが可能となる。位置合わせ手法としては、高高度から撮影した低空間分解能スペクトル画像をFixed画像(Fixed image)とし、低高度(研究サイトにおいてFixed画像より低空から撮影されたスペクトル画像)撮影した高空間分解能スペクトル画像をMove画像とした。そしてそれらからRGB画像を生成し、ペア画像間で特徴点抽出を行った。その後、(1)特徴検出、(2)特徴マッチング、(3)変換モデルの推定、(4)画像のリサンプリングの変換というステップを経てスペクトル画像の位置合わせを行った。低空から撮影された画像の空間分解能を維持しつつ、より高空から撮影されたスペクトル画像に一致するよう位置合わせを行った。高度差によってはデータの解像度が著しく異なるため特徴点抽出を自動で行うことが困難になる。本研究において使用したスペクトル画像は高度差が大きいため手動で特徴点を選択し位置合わせを実施した。また、撮影姿勢に起因する位置合わせのエラーを解決するために、スペクトル画像の鳥瞰画像変換技術を新たに提案し、位置合わせプロトコルに適用した。
さらに、これらプロトコルを経て構築された高解像度スペクトル画像について、筆者らが構築したスペクトル解析アプリケーションを用い、機械学習ベースのスペクトル処理技術を適用し鉱物同定を行った。本研究の実施によって地表の鉱物や重金属濃度などを同定可能な、スペクトルデータを用いたリモートセンシング技術の基盤となるアプリケーションの提案を行う。