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[SSS05-20] 中速度域における速度・状態依存摩擦パラメータの推定
キーワード：速度・状態依存摩擦則、中速すべり速度、速度ステップ実験、福建省花崗岩
本研究では、これまでに研究事例の少ない、すべり速度 10-3m/s から 10-1m/sといった中速度域における速度・状態依存摩擦 (RSF) パラメータである a , b , Dc の値の推定を目的として岩石摩擦試験を行った。実験はウェスタリー花崗岩と性質が近そうな福建省花崗岩を用いて行った。実験は、防災科学技術研究所所有の高速回転せん断摩擦試験機を用い、室温室湿状態で行った。3MPa の法線応力下において、すべり速度ステップが 5.0x10-3m/s と 1.5x10-2m/s の間を行き来する Velocity Step Change Test を10回繰り返してデータを取得した。摩擦パラメータ推定においてはまず、実験によって得られた摩擦係数波形の速度急変時の摩擦係数のジャンプよりパラメータ a を推定した。次に b と Dc についてパラメータ探索範囲を適切に設定し、速度・状態依存摩擦則（RSF law）とその発展則の aging law を用いて理論摩擦係数波形を数値的に計算した。測定データとの比較を行い、重み付き二乗残差を最小にするようパラメータ b , Dc の最適値を推定した。実験データには非常に良い再現性があり、摩擦パラメータを精度よく推定することができた。この時の a , a-b , Dc は、それぞれ、0.002～0.007, -0.06～-0.04, 0.2～0.4 mと推定され、10-7～10-4m/sの低すべり速度で行った剪断摩擦実験とは異なる値を示した。特に Dc の値は、～1m/sで行った高速摩擦実験時のすべり弱化距離と近い値となった。