14:15 〜 14:30
[SSS10-03] 2023年トルコ・カフラマンマラシュ地震(Mw7.8)で顕著な地震動を記録した強震観測点周辺における微動アレイ探査
キーワード:常時微動、2023年トルコ・カフラマンマラシュ地震、地盤増幅、Vs30
2023年2月6日1時17分(協定世界時)にトルコ南東部で発生した地震(カフラマンマラシュ地震)では、震源域周辺で甚大な被害が生じ、震央から南西側の断層沿いに稠密に設置された強震観測点において大きな地震動が観測された。一方、現地調査では被害集中地域が主断層あるいは強震観測点から離れている事例なども確認されており(例えば森・他、2023)、被害の原因を明らかにするために地盤構造の違いを把握することは重要である。本研究では、地震時における地盤の震動特性を明らかにすることを目的とし、Kahramanmaraş県Pazarcık〜Hatay県Antakyaの強震観測点(13点)および周辺地域(9地点)において微動アレイ探査を実施した。微動測定には応用地質(株)製のMcSEIS-AT(3ch)を使用し、半径0.5〜25mの4点正三角形アレイを基本として配置した。微動計測時間はアレイ半径に応じて3〜20分の範囲とした。各地点においてSPAC法(半径2m以上のアレイを対象)およびCCA法(半径2m未満のアレイを対象)をそれぞれ適用し、導出したSPAC係数・CCA係数、レイリー波位相速度から関係式(紺野・片岡,2000;Hayashida et al., 2023)を用いて表層30mの平均S波速度(Vs30)を推定した。強震観測点におけるVs30値は、トルコ内務省災害緊急事態対策庁(AFAD)によって公表されている値と概ね調和的であることを確認した。対象地点において推定したVs30値は概ね大きな値であったが、Hatay県Antakyaでは丘陵側および低地側で値に系統的な違いが見られた。本発表では、各探査地点において推定した表層地盤のS波速度構造および増幅特性についても議論する。
謝辞
本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「カフラマンマラシュ(トルコ南東部)地震関連国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)」のプロジェクト「Kahramanmaras地震の強震域の地震動記録と構造物被害に基づく新たな震度計算式の開発および微動測定と揺れの質問票調査に基づく被害集中域の震度の解明(代表:森伸一郎、OZEL Nurcan Meral)」の一環として実施しました。微動探査にご協力いただいた関係機関ならびに地域住民の皆様にお礼を申し上げます。
謝辞
本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による「カフラマンマラシュ(トルコ南東部)地震関連国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)」のプロジェクト「Kahramanmaras地震の強震域の地震動記録と構造物被害に基づく新たな震度計算式の開発および微動測定と揺れの質問票調査に基づく被害集中域の震度の解明(代表:森伸一郎、OZEL Nurcan Meral)」の一環として実施しました。微動探査にご協力いただいた関係機関ならびに地域住民の皆様にお礼を申し上げます。