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[SSS11-02] 長町―利府線断層帯大年寺山断層を横切るS波極浅層反射法地震探査
キーワード:極浅層S波反射法地震探査、大年寺山断層、長町―利府線断層帯
って連続する。仙台市街地では,鹿落坂断層,大年寺山断層,長町-利府線断層(宮城野撓曲),および苦竹伏在断層が並走している。本研究で対象とした大年寺山断層は南東傾斜であり,連続的な断層崖を伴っている。また,主断層と考えられる北西傾斜の長町―利府線断層(宮城野撓曲)に対するバックスラストであるとされている。宮城野区榴ヶ岡付近では,大年寺山断層の活断層露頭が確認されている。小坂ほか(2014)によると断層露頭で確認できる東側隆起の逆断層の変位量に対して,地形の比高が有意に大きいことから,露頭以外の断層変位の存在が指摘されている。
本研究では,大年寺山断層の浅部断層位置および地下構造を明らかにすることを目的として,活断層露頭の北側の東西方向の道路に沿って263 mの測線を設定し,S波極浅層反射法地震探査を実施した(仙台市宮城野区二十人町から榴ヶ岡付近)。市街地を通る活断層の詳細位置や浅部地下構造を明らかにすることは,都市部の防災・減災の対策を検討する上でも重要である。
S波極浅層反射法地震探査は,2022年5月に実施した。発振点・受振点間隔は1 mとした。震源には,ポータブルバイブレータ(OYO CAG社製)を用いて,10〜100 Hzの周波数帯で8秒間のスウィープを実施した。受振器には,固有周波数14 HzのGS-20DMを用いた。レコーディングシステムには,Geode(Geometrics社製)を用いて,0.5 msのサンプリング間隔とした。受振点は120 chを用いたロールオン方式で西から東に向かって探査を進めた。測線は,都市部の主要道路であるため,生活ノイズや交通ノイズを避けるために,夜間に探査を実施した。
探査で得られた記録は,一般的な共通反射点重合法の処理に従って解析を行った。CMP間隔は0.5 mとした。解析の結果,測線中央部付近に,小坂ほか(2014)に対応する東傾斜の逆断層がイメージングされ,測線西部でも,もう1条の東傾斜の逆断層がイメージングされた。測線西部の逆断層は,地表面は人工改変により地形起伏が不明瞭ではあるものの断層崖の基部に位置する。これらの逆断層は,段丘下に存在する向山層中のほぼ水平に連続する強反射面を切断しており,極浅部では東に傾斜する断層面も反射面としてイメージングされた。
文献:小坂ほか(2014)仙台市街地にあらわれた大年寺山断層の断層露頭, 応用地質, 55, 116-176.
本研究では,大年寺山断層の浅部断層位置および地下構造を明らかにすることを目的として,活断層露頭の北側の東西方向の道路に沿って263 mの測線を設定し,S波極浅層反射法地震探査を実施した(仙台市宮城野区二十人町から榴ヶ岡付近)。市街地を通る活断層の詳細位置や浅部地下構造を明らかにすることは,都市部の防災・減災の対策を検討する上でも重要である。
S波極浅層反射法地震探査は,2022年5月に実施した。発振点・受振点間隔は1 mとした。震源には,ポータブルバイブレータ(OYO CAG社製)を用いて,10〜100 Hzの周波数帯で8秒間のスウィープを実施した。受振器には,固有周波数14 HzのGS-20DMを用いた。レコーディングシステムには,Geode(Geometrics社製)を用いて,0.5 msのサンプリング間隔とした。受振点は120 chを用いたロールオン方式で西から東に向かって探査を進めた。測線は,都市部の主要道路であるため,生活ノイズや交通ノイズを避けるために,夜間に探査を実施した。
探査で得られた記録は,一般的な共通反射点重合法の処理に従って解析を行った。CMP間隔は0.5 mとした。解析の結果,測線中央部付近に,小坂ほか(2014)に対応する東傾斜の逆断層がイメージングされ,測線西部でも,もう1条の東傾斜の逆断層がイメージングされた。測線西部の逆断層は,地表面は人工改変により地形起伏が不明瞭ではあるものの断層崖の基部に位置する。これらの逆断層は,段丘下に存在する向山層中のほぼ水平に連続する強反射面を切断しており,極浅部では東に傾斜する断層面も反射面としてイメージングされた。
文献:小坂ほか(2014)仙台市街地にあらわれた大年寺山断層の断層露頭, 応用地質, 55, 116-176.