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[STT35-04] ALOS-2/PALSAR-2を用いた令和6年能登半島地震の地殻変動の抽出

キーワード:干渉SAR、令和6年能登半島地震、位相アンラッピング、3次元解析
2024年1月1日に石川県能登地方で発生したM7.6の地震(気象庁による暫定値報告)に関する解析として、ALOS-2/PALSAR-2の画像を用いて差分干渉SAR解析を実施した。地震直後の1月1日、2日、3日の画像からそれぞれの日付ごとに干渉画像を生成し、アンラップ画像の作成と3次元解析を行った。具体的な解析方法を以下に示す。
1)位相差画像の改善
使用した3つの干渉画像は、いずれも干渉性が低く、特に1月1日の画像は非常に低い干渉性を示した。そのため、スペックルトラッキング法や位相差画像だけの解析結果は得られたが、アンラップ画像に関する報告は得られなかった。したがって、アンラップ可能な領域を増やすために、ルック数の調整とGWフィルターの反復処理を行った。その結果、例えば1月1日の画像に対しては、ルック数16×16、GWフィルター係数0.2、反復回数2回で処理を行うことで、画像の干渉性が上がり、アンラップ可能な領域を増やせることを確認した。
(1月2日の画像は、ルック数12×12、GWフィルター係数0.2、反復回数2回、1月3日の画像は、ルック数8×8、GWフィルター係数0.2、反復回数2回。)
2)アンラップエラーに対応するマスク画像の作成
アンラップ可能な領域を増やすためにルック数とGWフィルターを調整しても、変動が極端に大きい場所で位相の不連続により発生するアンラップエラーを除去することは困難だった。このような場所については、目視によるアンラップエラーを除去や、コヒーレンス画像や位相の標準偏差画像からマスク画像を作成して対処することが一般的である。ただし、干渉していない画像から得られたコヒーレンス画像や位相の標準偏差画像は、アンラップ可能な領域を増やした画像との相関性が確認できなかったため、本解析でマスク画像として使用するには不十分であった。そこで、本解析ではアンラップ可能な領域を増やした画像に対するマスク画像の作成方法を提案する。作成方法としては、ルック数とGWフィルターを調整した位相差画像に対して、ある1ピクセルの横の1ピクセルと下の1ピクセルがどれだけ離れていたかを求める方法と中央値フィルターと掛け合わせて使用して作成している。また、本解析では位相差画像にマスク処理を施してからアンラップ処理を行うことで、アンラップエラーを低減させている。
3)3次元解析の取り組み
本解析では、Ascending-Left、Descending-Left、Ascending-Rightの3方向の画像を用いた解析を行ったため、生成された3つのアンラップ画像を東西、上下、南北の3成分に分解し、3次元解析を実施した。その3次元化解析の結果を国土地理院の電子基準点と比較し、データの検証を行った。また、Descending-Ringの画像も取得可能なため、4方向から東西、上下、南北の3成分に分解する手法にも取り組みたい。
1)位相差画像の改善
使用した3つの干渉画像は、いずれも干渉性が低く、特に1月1日の画像は非常に低い干渉性を示した。そのため、スペックルトラッキング法や位相差画像だけの解析結果は得られたが、アンラップ画像に関する報告は得られなかった。したがって、アンラップ可能な領域を増やすために、ルック数の調整とGWフィルターの反復処理を行った。その結果、例えば1月1日の画像に対しては、ルック数16×16、GWフィルター係数0.2、反復回数2回で処理を行うことで、画像の干渉性が上がり、アンラップ可能な領域を増やせることを確認した。
(1月2日の画像は、ルック数12×12、GWフィルター係数0.2、反復回数2回、1月3日の画像は、ルック数8×8、GWフィルター係数0.2、反復回数2回。)
2)アンラップエラーに対応するマスク画像の作成
アンラップ可能な領域を増やすためにルック数とGWフィルターを調整しても、変動が極端に大きい場所で位相の不連続により発生するアンラップエラーを除去することは困難だった。このような場所については、目視によるアンラップエラーを除去や、コヒーレンス画像や位相の標準偏差画像からマスク画像を作成して対処することが一般的である。ただし、干渉していない画像から得られたコヒーレンス画像や位相の標準偏差画像は、アンラップ可能な領域を増やした画像との相関性が確認できなかったため、本解析でマスク画像として使用するには不十分であった。そこで、本解析ではアンラップ可能な領域を増やした画像に対するマスク画像の作成方法を提案する。作成方法としては、ルック数とGWフィルターを調整した位相差画像に対して、ある1ピクセルの横の1ピクセルと下の1ピクセルがどれだけ離れていたかを求める方法と中央値フィルターと掛け合わせて使用して作成している。また、本解析では位相差画像にマスク処理を施してからアンラップ処理を行うことで、アンラップエラーを低減させている。
3)3次元解析の取り組み
本解析では、Ascending-Left、Descending-Left、Ascending-Rightの3方向の画像を用いた解析を行ったため、生成された3つのアンラップ画像を東西、上下、南北の3成分に分解し、3次元解析を実施した。その3次元化解析の結果を国土地理院の電子基準点と比較し、データの検証を行った。また、Descending-Ringの画像も取得可能なため、4方向から東西、上下、南北の3成分に分解する手法にも取り組みたい。