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[STT38-P07] 深層学習を用いた地震波形データからの低周波微動を特徴づける確率微分方程式表現の獲得

キーワード:低周波微動、スロー地震、確率微分方程式、SDE、深層学習、signature kernel
スロー地震は、通常の地震の場合よりもはるかに遅い速度で発生する滑り現象で、プレート境界型地震と関連がある可能性が考えられており、様々な側面から研究が進められている。スロー地震は、短周期のものから2-8Hzのlow frequency earthquakes(LFE)、20秒程度に渡るvery low frequency earthquakes(VLF)、そして数日から数カ月に渡るslow slip events(SSE)のように分類できるが、本研究ではVLFを対象とする。
スロー地震は長期的に見るとブラウン運動と似たような振る舞いをするため、確率微分方程式(SDE)によるモデル化を通してスロー地震特有の構造を捉えるという解析手法が考えられる。先駆的な研究として、Ide[1]はスロー地震特有の性質はSDEに従いプレートの固着域の大きさが変化し、それによって地震波が生じるというモデルによって多く説明がつくことを説明している。
一方で、近年時系列の観測データから深層学習を用いてSDEの表現を獲得する手法が研究されている。Issa et al. [2]は時系列データの類似性をSignature Kernelを用いた尺度で測ることで、ニューラルネットワークとして定式化したSDEを時系列データより学習する手法を提案している。
本研究では、多観測点における実際のスロー地震のデータのSDEとしての形式をIssa et al.の手法により学習し、ある地点でのスロー地震に関する地震波速度が観測されたとき、他の地点での地震波速度を予測する手法の提案、考察を行う。
[1]Ide, S. (2008), A Brownian walk model for slow earthquakes, Geophys. Res. Lett., 35, L17301, doi:10.1029/2008GL034821.
[2]Issa, Z., Horvath, B., Lemercier, M., & Salvi, C. (2023). Non-adversarial training of Neural SDEs with signature kernel scores. arXiv preprint arXiv:2305.16274.
スロー地震は長期的に見るとブラウン運動と似たような振る舞いをするため、確率微分方程式(SDE)によるモデル化を通してスロー地震特有の構造を捉えるという解析手法が考えられる。先駆的な研究として、Ide[1]はスロー地震特有の性質はSDEに従いプレートの固着域の大きさが変化し、それによって地震波が生じるというモデルによって多く説明がつくことを説明している。
一方で、近年時系列の観測データから深層学習を用いてSDEの表現を獲得する手法が研究されている。Issa et al. [2]は時系列データの類似性をSignature Kernelを用いた尺度で測ることで、ニューラルネットワークとして定式化したSDEを時系列データより学習する手法を提案している。
本研究では、多観測点における実際のスロー地震のデータのSDEとしての形式をIssa et al.の手法により学習し、ある地点でのスロー地震に関する地震波速度が観測されたとき、他の地点での地震波速度を予測する手法の提案、考察を行う。
[1]Ide, S. (2008), A Brownian walk model for slow earthquakes, Geophys. Res. Lett., 35, L17301, doi:10.1029/2008GL034821.
[2]Issa, Z., Horvath, B., Lemercier, M., & Salvi, C. (2023). Non-adversarial training of Neural SDEs with signature kernel scores. arXiv preprint arXiv:2305.16274.