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[SVC26-P18] 地殻変動データを用いた桜島浅部圧力源の推定

キーワード:桜島火山、精密水準測量、地殻変動、有限球モデル
活発な火山活動が見られる桜島では様々な地殻変動観測による圧力源解析が行われており,地下には複数の圧力源の存在が示唆されている.本研究では、精密水準測量観測によって得られたデータに任意の大きさを持つ圧力源モデル(McTigue,1987)を適用することで桜島下の浅部圧力源についての圧力源推定を行った.
地下浅部に圧力源が存在する場合,圧力源の大きさによる地殻変動への影響が強くなる.点状圧力源モデル(Mogi,1958)を適用し,浅部に存在する圧力源を解析する際,この影響が計算に含まれていないため圧力源の推定結果に誤差が生じる可能性がある.したがって本研究では,2016年から2022年の間に行われた1級水準測量の繰り返し観測による地殻変動データについて2つの圧力源モデルを適用し,有限球モデルを用いた最小二乗法によるパラメータ解析を行うことで圧力源の位置と深さ,半径,体積変化を推定した.また,3つの圧力源モデルを適用した場合についても同様の推定を行い,この2つの結果を比較した.次に3つの圧力源の圧力変化が引き起こすそれぞれの地盤上下動について,有限球モデルと茂木モデルのそれぞれの地殻変動解から計算される地盤上下動の差を検討することで茂木モデルを解析に使用した場合の解析結果との比較を行った.
圧力源解析の結果,2つの圧力源モデルでは姶良カルデラ下深さ9mの位置に半径130mの膨張源, 桜島南岳下深さ4.2㎞の位置に半径120mの収縮源が推定された.(Fig.1(a))6年間での圧力源の体積変化はそれぞれ12×106m3,-4.9×106m3と推定された.3つの圧力源モデルでは姶良カルデラ下深さ9mと桜島北部の深さ3.0㎞に半径がそれぞれ130mと60mの膨張源, 桜島南岳下深さ2.6㎞の位置に半径100mの収縮源が推定された.(Fig.1(b))6年間での圧力源の体積変化はそれぞれ7.6×106m3と0.9×106m3,-2.9×106m3であった.2つの圧力源モデルと3つの圧力源モデルによる推定結果を比較すると,3つの圧力源モデルを適用して解析を行った場合の方が,計算によって算出された地盤上下動と実際の観測値の残差が小さくなり,水準測量データをよく説明できることが分かった.またAIC値は2つの圧力源モデルを適用して解析を行った場合が3200、3つの圧力源モデルの場合は2540となった.今後はGNSS観測から得られる水平変動も考慮に入れて圧力源解析を行っていく.
地下浅部に圧力源が存在する場合,圧力源の大きさによる地殻変動への影響が強くなる.点状圧力源モデル(Mogi,1958)を適用し,浅部に存在する圧力源を解析する際,この影響が計算に含まれていないため圧力源の推定結果に誤差が生じる可能性がある.したがって本研究では,2016年から2022年の間に行われた1級水準測量の繰り返し観測による地殻変動データについて2つの圧力源モデルを適用し,有限球モデルを用いた最小二乗法によるパラメータ解析を行うことで圧力源の位置と深さ,半径,体積変化を推定した.また,3つの圧力源モデルを適用した場合についても同様の推定を行い,この2つの結果を比較した.次に3つの圧力源の圧力変化が引き起こすそれぞれの地盤上下動について,有限球モデルと茂木モデルのそれぞれの地殻変動解から計算される地盤上下動の差を検討することで茂木モデルを解析に使用した場合の解析結果との比較を行った.
圧力源解析の結果,2つの圧力源モデルでは姶良カルデラ下深さ9mの位置に半径130mの膨張源, 桜島南岳下深さ4.2㎞の位置に半径120mの収縮源が推定された.(Fig.1(a))6年間での圧力源の体積変化はそれぞれ12×106m3,-4.9×106m3と推定された.3つの圧力源モデルでは姶良カルデラ下深さ9mと桜島北部の深さ3.0㎞に半径がそれぞれ130mと60mの膨張源, 桜島南岳下深さ2.6㎞の位置に半径100mの収縮源が推定された.(Fig.1(b))6年間での圧力源の体積変化はそれぞれ7.6×106m3と0.9×106m3,-2.9×106m3であった.2つの圧力源モデルと3つの圧力源モデルによる推定結果を比較すると,3つの圧力源モデルを適用して解析を行った場合の方が,計算によって算出された地盤上下動と実際の観測値の残差が小さくなり,水準測量データをよく説明できることが分かった.またAIC値は2つの圧力源モデルを適用して解析を行った場合が3200、3つの圧力源モデルの場合は2540となった.今後はGNSS観測から得られる水平変動も考慮に入れて圧力源解析を行っていく.