[S-VC29] 火山の監視と活動評価

[SVC29-P06] 火山活動活発化時にみられる火山性地震について

*加藤 幸司¹、菅井 明²、中村 政道² (1.気象大学校、2.気象庁)

キーワード：火山性地震、火山活動の監視

浅間山等における火山性震動の波形分類に基づく活動予測の有効性を示したMinakami(1960)の報告等を参考に、気象庁では地震計１点観測時代から、それぞれの火山において独自に波形分類を行い、波形の型を記録してきた。１点観測という限られた観測環境においては、波形の型も活動評価を行う上で、貴重な情報であった。Minakami(1960)による火山性震動の分類はA型、B型、爆発地震、火山性微動の４種類のみであったが、気象庁ではその後、各地の火山で観測される震動波形について、独自の型を含む多様な分類が行ってきた。武尾（1986）は、その後発表された多くの知見も含め、火山性地震を発生機構のモデルからの視点でレビューしている。このことは重要であり、火山活動のプロセスの中でどのような型の地震が発生しうるのか（西村・井口，2006）を理解して、監視・評価することがより強く求められる。
しかし、イベントタイプと火山活動の推移の関係性については、浅間山など活発な一部な火山を除いては、よくわかっていない。また、イベントタイプについても一つの火山で閉じて行われることが多く、異なる火山間で比較された事例は少ない。イベントタイプと火山活動の知見を知見の少ない火山に適用するにあたっては、各火山で観測される波形の特徴を把握しすいておくことは、重要である。吾妻山や雌阿寒岳などでは、火山活動活発化時には低周波地震と高周波地震が混在するような地震がみられることもあった。本発表では、いくつかの火山において火山活動活発化時にみられた波形の特徴について調査したので報告する。