日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[U-10] 日本学術会議とJpGU

2024年5月27日(月) 15:30 〜 17:00 コンベンションホール (CH-B) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:佐竹 健治(東京大学地震研究所)、三枝 信子(国立環境研究所)、小口 高(東京大学空間情報科学研究センター)、高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、座長:三枝 信子(国立環境研究所)、佐竹 健治(東京大学地震研究所)

16:45 〜 17:00

[U10-12] JpGU における Diversity, Equality, Equity, and Inclusion 推進史

*小口 千明1 (1.埼玉大学大学院理工学研究科)

キーワード:Diversity, Equality, Equity, and Inclusion

男女共同参画の実現は、21世紀の日本社会の最重要課題と位置づけられている。1999年6月には男女共同参画社会基本法が公布・施行され、2000年12月には男女共同参画基本計画が閣議決定された。また、日本学術会議においても、2000年6月8日に開催された第132回日本学術会議において、「女性科学者を取り巻く環境の整備に関する具体的方策」と題する要望書および「日本学術会議における男女共同参画の推進について」と題する声明が採択された。
このような状況を踏まえ、理工系(STEM)のいくつかの学会が中心となり、男女共同参画連絡会の設置を呼びかけました。まず、2002年7月19日に14学会29名が参加して準備会が開催され、連絡会「理工系分野における男女共同参画推進のための学会間連絡会h(EPMEWSE)」として正式に発足した。
 それを受け、JpGUでは当時の団体会員である地球惑星科学諸分野の学協会に呼びかけ、男女共同参画推進に協力可能な人材を男女共同参画委員会設立準備会に選出してもらった。その準備会を踏まえ、正式に男女共同参画委員会が発足した。一方で、1990年代後半からの深刻なポスドク(任期付き研究員)問題を鑑み、キャリア支援委員会もほぼ同時期に発足した。特に女性研究者が任期付き研究員のデメリットを被ることが多いことから、この議論は現在もなお継続している。このようにして、両委員会が共同で、日本のSTEM分野の男女共同参画学協会連絡会とも連携しながら、JpGUの活動を推進するようになった。そして2015年には、両委員会の合併により、ダイバーシティ推進委員会が新たにスタートした。
 男女共同参画学協会連絡会との連携は、5年に1度の大規模アンケートによる女性研究者の現状調査とその結果に基づく提言・要望、特に新世代の女性研究者育成のためのサブ活動(女子中高生サマースクール)による次世代育成等がある。JpGU独自の活動としては、JpGU大会でのキャリア支援相談や、セッションコンビーナーの多様性を表すロゴの作成などがある。最近ではAGUやEGUなど海外の学術団体との連携も深まっている。このような組織的な国際連携は、他のSTEM分野ではほとんどない。本発表では、JpGUにおけるダイバーシティ、平等、公平、インクルージョンの推進にご協力いただいた方々の足跡を、可能な限り列挙しながらご紹介する。