17:15 〜 18:45
[U15-P52] 2024年能登半島地震震源域陸域のS波スプリッティングと地震波速度構造
2024年1月1日にM7.6の能登半島地震が能登半島北部およびその東方の海域、約150kmの範囲で発生した。Okada et al. (doi: 10.1186/s40623-024-01974-0, 2024) は、そのうち、2020年以降群発地震活動が活発にみられた領域において臨時地震観測を行い(Sakai et al., 2022など)、S波スプリッティング解析と地震波速度構造の推定を行った。S波スプリッティング解析の結果、群発地震震源域の南部は応力による異方性、北部は断層などの構造による異方性が見られ、北部では断層などの構造が発達しており地震活動もより活発であるとした。一方、群発地震震源域南部では震源域南部にはP波・S波速度比が大きな領域が見られた。この原因は古いマグマ溜まりと高い圧力の水が考えられ、この領域の地震活動と流体との関連が示唆された。本研究では、Okada et al. (2024) の結果を踏まえ、臨時観測データを用いた能登半島地震震源域におけるS波スプリッティング解析および地震波速度構造と能登半島地震との関係を検討する。
MFAST (Savage et al., 2010) を用いたS波スプリッティング解析の結果、2024年能登半島地震後では、震源域全体において概ね応力による異方性が確認された。一方、震源域の西部などでは、構造性と考えられる異方性も確認され、断層などの構造が反映されている可能性がある。
Zhang and Thurber (2003, 2006)による地震波速度構造の解析の結果、M7.6の能登半島地震の本震は古いマグマ溜まりと推定された高Vp/Vsの領域の近傍に位置することがわかった。このことはM7.6の能登半島地震の発生においても水などの流体が関わることが示される。
MFAST (Savage et al., 2010) を用いたS波スプリッティング解析の結果、2024年能登半島地震後では、震源域全体において概ね応力による異方性が確認された。一方、震源域の西部などでは、構造性と考えられる異方性も確認され、断層などの構造が反映されている可能性がある。
Zhang and Thurber (2003, 2006)による地震波速度構造の解析の結果、M7.6の能登半島地震の本震は古いマグマ溜まりと推定された高Vp/Vsの領域の近傍に位置することがわかった。このことはM7.6の能登半島地震の発生においても水などの流体が関わることが示される。