[U-15] 2024年能登半島地震(1:J)

[U15-P68] 体積ひずみ計で記録された2024年能登半島地震津波

*三浦 哲¹、出町 智嗣¹、太田 雄策¹ (1.東北大学大学院理学研究科)

キーワード：能登半島地震、津波、ひずみ計

本年1月1日にマグニチュード（M7.6）の能登半島地震が発生し，内閣府によると死者241名，負傷者1,299名，住家被害110,287棟など甚大な被害を被っている．この地震に伴った津波が，東北大学が山形県飛島に設置しているひずみ計でも観測された．飛島に設置されている潮位計のデータと比較したところ，位相の対応は大変良い一方で，各位相の振幅はあまり良い一致を示していない．

これは，潮位計が測器の設置場所1点での潮位変化であるのに対し，津波に伴うひずみ記録は，海水面の上下に伴う荷重変形を記録しているためであると考えられる．

波形全体の特徴に基づいてひずみ/潮位変換係数を求めるため，津波エンベロープ（Hayashi+, 2009）を計算して比較を行ったところ，最大振幅で両者を一致させる場合には約10 mm/ppb，コーダ部分全体で一致させる場合には約7 mm/ppbという結果が得られた．飛島における津波到達時直前までの潮位記録を見ると波浪の影響を受けている可能性があり，上記の変換係数については，引き続き検討が必要である．

本講演では，振幅は飛島より小さいものの，青森県深浦に設置したひずみ計でも津波が観測されており，それについても報告を行う．