[U-15] 2024年能登半島地震(1:J)

[U15-P87] 令和６年能登半島地震による能登半島北東沖の海底地形変化

二木 敬右¹、松四 雄騎²、浜田 昌明³、*谷口 達彦³ (1.金沢大学自然科学研究科環境デザイン学専攻（北陸電力株式会社）、2.京都大学　防災研究所、3.北陸電力株式会社)

キーワード：変動地形、マルチビーム測深、海底マスムーブメント

2024年1月1日16時10分に石川県珠洲市を震源とするMj7.6の地震が発生し，沿岸域や富山県，新潟県の広域で地震及び津波による甚大な被害が発生した．
　本地震の震源については各機関が検討中であるが，余震分布から能登半島北岸に沿って西は能登半島西岸から東は能登半島北東沖にあたる富山深海長谷付近までの震源断層が想定された事例もある．一方，能登半島北岸の海域活断層については，産業技術総合研究所等により調査結果に基づき複数のセグメントからなる約95㎞程度の長さで示されているが，北東沖については言及されていない．さらに，国土交通省等によればその北東方には前述の海域活断層と逆傾斜の別の断層の存在が指摘されているが，本地震の震源断層としての関連性は明らかにはなっていない．
　今回の地震の震源域が能登半島北東沖に及んでいるとすれば，海底に断層による変位量を反映した変動地形を痕跡として残す可能性がある．そのため，能登半島北東沖を対象にマルチビーム測深により高解像度地形情報を取得した結果，国土交通省により設定されたF42波源付近には変動地形は確認されなかった．
　また，二木・松四（2022）は能登半島珠洲沖の海底の高解像度地形情報を用いた地形判読や音波探査記録に基づく地質・地質構造の解釈に基づき，海底地形発達過程を検討している．当該範囲について地震前後の地形変化について比較した結果，Mj7.6程度の規模の地震によって活動したマスムーブメントの規模は限定的であることを把握した．