17:15 〜 18:45
[U15-P96] SARを用いた令和6年能登半島地震と令和5年石川県能登地方の地震で生じた珠洲市若山町の地表変状周辺の変動分布の把握
キーワード:SAR、令和6年能登半島地震、令和5年奥能登地震、珠洲市若山町
はじめに
2024年1月1日に能登半島でM7.6の地震(以下、令和6年能登半島地震)が発生した。国土地理院は、空中写真を用いてこの地震に伴って珠洲市若山町に出現した線状の地表変状をマッピングした(国土地理院 2024)。また、地震前後に撮影された空中写真を用いて表層高差を算出し、若山川沿いの谷底平野において、全長約4㎞の隆起帯が生じたことを指摘した。
方法
本研究では、隆起帯周辺のより広域の変動状況を明らかにするため、地震前後に観測されたALOS-2データを用いて上下、東西、南北方向の3次元変動量を把握した。まず、地震前後に観測された複数の軌道のALOS-2データを用いてピクセルオフセット法を実施し、衛星視線方向と衛星進行方向の変動量を算出した。次に、複数の衛星視線方向と衛星進行方向の結果を合成して(Wright et al., 2004)上下、東西、南北方向の変動量を把握した。
結果
解析の結果、国土地理院が指摘した隆起帯において約2mの隆起と、その西方の上流側でも約2mの隆起が確認できた。また、若山川右岸側の斜面(北向き斜面)において約2mの北方向の変動と、左岸側斜面(南向き斜面)で約0.5mの南方向の変動が確認できた。隆起帯を挟んだ両側から圧縮が生じた可能性がある。
一方、杉本ほか2023は、2023年5月5日に発生したM6.5の地震(以下、令和5年石川県能登地方の地震)前後に観測されたALOS-2データを使用して干渉SAR解析を実施し、数十箇所の局所的な変動箇所を抽出した。その中の1つに、令和6年能登半島地震で生じた隆起帯と同じ位置で数cmの隆起が確認された。2023年6月に当範囲の現地調査を行ったところ、水張後の田において田面が露出している範囲が確認できた。以上から、令和6年能登半島地震で生じた若山川の隆起帯の一部では、令和5年石川県能登地方の地震でも微小な隆起が生じていたことがわかった。
2024年1月1日に能登半島でM7.6の地震(以下、令和6年能登半島地震)が発生した。国土地理院は、空中写真を用いてこの地震に伴って珠洲市若山町に出現した線状の地表変状をマッピングした(国土地理院 2024)。また、地震前後に撮影された空中写真を用いて表層高差を算出し、若山川沿いの谷底平野において、全長約4㎞の隆起帯が生じたことを指摘した。
方法
本研究では、隆起帯周辺のより広域の変動状況を明らかにするため、地震前後に観測されたALOS-2データを用いて上下、東西、南北方向の3次元変動量を把握した。まず、地震前後に観測された複数の軌道のALOS-2データを用いてピクセルオフセット法を実施し、衛星視線方向と衛星進行方向の変動量を算出した。次に、複数の衛星視線方向と衛星進行方向の結果を合成して(Wright et al., 2004)上下、東西、南北方向の変動量を把握した。
結果
解析の結果、国土地理院が指摘した隆起帯において約2mの隆起と、その西方の上流側でも約2mの隆起が確認できた。また、若山川右岸側の斜面(北向き斜面)において約2mの北方向の変動と、左岸側斜面(南向き斜面)で約0.5mの南方向の変動が確認できた。隆起帯を挟んだ両側から圧縮が生じた可能性がある。
一方、杉本ほか2023は、2023年5月5日に発生したM6.5の地震(以下、令和5年石川県能登地方の地震)前後に観測されたALOS-2データを使用して干渉SAR解析を実施し、数十箇所の局所的な変動箇所を抽出した。その中の1つに、令和6年能登半島地震で生じた隆起帯と同じ位置で数cmの隆起が確認された。2023年6月に当範囲の現地調査を行ったところ、水張後の田において田面が露出している範囲が確認できた。以上から、令和6年能登半島地震で生じた若山川の隆起帯の一部では、令和5年石川県能登地方の地震でも微小な隆起が生じていたことがわかった。