[AHW34-P15] 日本の活火山周辺の水環境 -御嶽山・浅間山・箱根山を中心にー
キーワード:活火山、噴火、水質、溶存成分、地質
Ⅰ はじめに 日本列島には数多くの活火山が存在しているが、その形成要因や山体を構成する成分などは火山によって異なる。また、火山活動の影響で、火山周辺の河川や湧水の水質にも変化が表れることが予想される。そこで、2014年から活動が盛んになった御嶽山、浅間山、箱根山、の3つの火山地域において継続的な水質調査を行った結果を報告する。
Ⅱ 研究方法 御嶽山では2014年から、浅間山と箱根山は2015年から、それぞれ継続調査をしている。現地調査項目はAT,WT,pH,RpH,EC等である。現地では採水も行ない、持ち帰ったサンプルは、研究室にてTOC, 主要溶存成分の分析などを行なっている。
Ⅲ 結果と考察
1.pHの比較 pHを比較すると、御嶽山、箱根山では、山体から流れ出る河川の中に酸性を示すものがある一方、浅間山ではアルカリ性を示す河川が多く存在する。
2.電気伝導度の比較 電気伝導度(EC)は、御嶽山の周辺河川で全体的に値が小さく、浅間山、箱根山の周辺河川で全体的に値が大きい傾向が見られた。特に、箱根山には3000μS/cmを超える河川が存在する。
3.溶存成分の比較 3地域とも、EC値の小さい地点はCa-(HCO3)2型の水質組成を示す傾向が見られるが、値が大きい地点では地域によって組成に差が見られ、御嶽山ではCa-SO4型の水質が多い。箱根山は温泉地ということもあり、Ca-SO4型のほか、Na-Cl型やCa-Cl型の水質組成も見られる。浅間山は、他の地域と比べて、Mg2+の比率が高い地点が多い傾向にあり、Mg-(HCO3)2型やMg-SO4型の水質組成が見られる。
Ⅳ おわりに 活火山地域の水質の特性がある程度見えてきた。今後は条件を絞りつつ東北地方や九州地方にある火山地域についても調査を進め、さらに特性を明確にしたい。
参 考 文 献
猪狩彬寛・小寺浩二・浅見和希(2016):浅間山周辺地域の水環境における水文地理学的研究, 日本地理学会2016年度秋季学術大会講演要旨集.
Ⅱ 研究方法 御嶽山では2014年から、浅間山と箱根山は2015年から、それぞれ継続調査をしている。現地調査項目はAT,WT,pH,RpH,EC等である。現地では採水も行ない、持ち帰ったサンプルは、研究室にてTOC, 主要溶存成分の分析などを行なっている。
Ⅲ 結果と考察
1.pHの比較 pHを比較すると、御嶽山、箱根山では、山体から流れ出る河川の中に酸性を示すものがある一方、浅間山ではアルカリ性を示す河川が多く存在する。
2.電気伝導度の比較 電気伝導度(EC)は、御嶽山の周辺河川で全体的に値が小さく、浅間山、箱根山の周辺河川で全体的に値が大きい傾向が見られた。特に、箱根山には3000μS/cmを超える河川が存在する。
3.溶存成分の比較 3地域とも、EC値の小さい地点はCa-(HCO3)2型の水質組成を示す傾向が見られるが、値が大きい地点では地域によって組成に差が見られ、御嶽山ではCa-SO4型の水質が多い。箱根山は温泉地ということもあり、Ca-SO4型のほか、Na-Cl型やCa-Cl型の水質組成も見られる。浅間山は、他の地域と比べて、Mg2+の比率が高い地点が多い傾向にあり、Mg-(HCO3)2型やMg-SO4型の水質組成が見られる。
Ⅳ おわりに 活火山地域の水質の特性がある程度見えてきた。今後は条件を絞りつつ東北地方や九州地方にある火山地域についても調査を進め、さらに特性を明確にしたい。
参 考 文 献
猪狩彬寛・小寺浩二・浅見和希(2016):浅間山周辺地域の水環境における水文地理学的研究, 日本地理学会2016年度秋季学術大会講演要旨集.