14:45 〜 15:00
[AOS26-05] 造礁サンゴの多様性の時空間的変動の評価・予測と適応計画
現在、サンゴ礁は水温上昇や陸域からの土砂流入により急速に変化している。日本は南北に長く、また琉球列島においては陸域からの赤土流入が見られるため、水温上昇と赤土流入両方の影響を評価・予測することが可能である。
1930年代から現在までの文献や標本情報から、約30000件のサンゴ種分布データを収集し、日本においては温帯域において冬期の水温上昇によりサンゴの分布北上が起こっていることが明らかになり、冬期の水温上昇の年々変動を考慮すると20世紀再現実験の水温値を用いて過去の北上を再現することができた。一方で、亜熱帯域においては白化によりサンゴが減少し、さらに陸域からの影響が大きい海域においては白化後の回復が見られないことが明らかとなった。こうした結果に基づいて気候変動シナリオごとの予測を行い、二酸化炭素排出の抑制がサンゴの保全に重要であることが示された。また、EBSA基準に基づく評価によって、日本沿岸域のサンゴ礁域を対象に、種の保全のために重要な海域を抽出可能であることが示された。これらに基づき、気候変動への適応計画(陸域負荷の低減、保護区の設定等)へとつなげていく必要がある。
1930年代から現在までの文献や標本情報から、約30000件のサンゴ種分布データを収集し、日本においては温帯域において冬期の水温上昇によりサンゴの分布北上が起こっていることが明らかになり、冬期の水温上昇の年々変動を考慮すると20世紀再現実験の水温値を用いて過去の北上を再現することができた。一方で、亜熱帯域においては白化によりサンゴが減少し、さらに陸域からの影響が大きい海域においては白化後の回復が見られないことが明らかとなった。こうした結果に基づいて気候変動シナリオごとの予測を行い、二酸化炭素排出の抑制がサンゴの保全に重要であることが示された。また、EBSA基準に基づく評価によって、日本沿岸域のサンゴ礁域を対象に、種の保全のために重要な海域を抽出可能であることが示された。これらに基づき、気候変動への適応計画(陸域負荷の低減、保護区の設定等)へとつなげていく必要がある。