[G03-P04] 校外学習の場としての地質標本館―入館者データから見た地学教育の現状と課題
キーワード:校外学習、地質標本館、来館者数
つくば市の地質標本館は1980年に開館して以来、一般市民に向けてGSJの貴重なコレクションの展示と研究紹介を行ってきた。1年間の訪問者は約4万人である。入場料は開館以来無料である。平日に1時間以上滞在する団体には、希望があれば、研究者による解説案内を行っている。近年では、SSH指定校を含む多くの学校の生徒が校外学習に訪れている。SSH指定校の多くが来ている。地質標本館では、館内の案内を通して、特に若い生徒たちには地球科学の面白さを伝えたいと考えている。日本列島は変動帯に位置し、地質が生活に密接であるにもかかわらず、多くの生徒は学校で地学を学ぶ機会がないからである。しかし、残念ながら、訪れる学校の40%は解説をつけない自由見学となっている。このうち半分は休日に校外学習を実施し、ほかの学校はトイレ休憩が主であるかのように30分程度しか滞在しない。小学校6年生のために学校の理科の授業にあわせた「地層の話」というプログラムを用意している。これは学校の周りの地形・地質に関する講義、水路模型を使った堆積実験、地質標本館内の見学で構成される。1年におよそ600人の児童がこのプログラムに参加している。昨年、地質標本館ではQRコードを利用してスマートフォンなどのモバイル端末でアクセスできる新しい解説システムを構築した。まだ発展途上ではあるが、休日の来館者や外国人来館者に役に立っている。