JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ]Eveningポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS23] [JJ] 古気候・古海洋変動

2017年5月23日(火) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

[MIS23-P33] 海底地形とSBP探査結果をもとにした沖縄県宮古島周辺浅海域の地質学的特徴

*井上 卓彦1荒井 晃作1佐藤 雅彦1三澤 文慶1板木 拓也1 (1.国立研究開発法人産業技術総合研究所地質情報研究部門)

キーワード:サブボトムプロファイラー、海底地形、宮古島周辺、サンゴ礁、表層海洋地質、浅海域

産総研では宮古島周辺海域にて,JOGMEC所有調査船「白嶺」による海洋地質調査航海を実施した.本調査航海では,調査の一環として海底表層部の堆積層を高分解能で把握するために,パラメトリック方式サブボトムプロファイラー(SBP)を用いた高分解能音波探査を実施している.本報告では航海で得られたSBP音波探査記録及び海底地形をもとに宮古島周辺浅海域の地質学的特徴について報告する.
宮古島周辺には,水深200 m以浅の比較的平坦な海底地形が広がっており,沿岸域にはサンゴ礁の発達が知られている.水深200m 以浅の表層部は,上位の成層した堆積層と下位の内部反射面を伴わない地層の大きく2層に区分された.上位層である堆積層は下位層を明瞭な不整合で覆っている.下位層は浅海部で広く海底面に露出しており,上面に強い反射を伴う.露出する下位層には,上方へ突起した地形を示すものと起伏がほとんどないものが認められ,宮古島近傍の100m以浅のでは上方へ突起した地形が特に顕著に認められる.この突起は海底面から高さ8 mにも達する.この突起地形は宮古島の近傍でのみ認められること,水深100 m以浅の浅海域に限定的に発達していることから,氷期以降の海水準上昇期に形成され,急激な海水準上昇により沈水した炭酸塩の高まりである可能性が高い.