[SCG73-P01] リュウコツに由来する水酸化アパタイトの漢方処方に伴う結晶構造と電子密度分布の変化
キーワード:リュウコツ、漢方処方、MEM/Rietveld、水酸化アパタイト
リュウコツは鉱物性生薬のひとつで、大型哺乳類の化石であるとされている。日本で流通するリュウコツは全て中国から輸入されたものであるが、化石であるため資源の枯渇が懸念されている。本研究では、鉱物学的な視点からリュウコツの代替物質を探ることを目的とし、リュウコツの漢方処方に伴う結晶構造の変化を調べた。
リュウコツの結晶構造や電子密度分布を、実験室機器で測定したノイズの多いXRDデータを用いて調査した。XRDデータのノイズ低減のためにSavitzky-Golay法(Savitzky and Golay, 1964)を適用した。結晶構造及び電子密度分布の解析はRIETAN-FP(Izumi and Momma, 2007)を用いたMEM/Rietveld法によって行った。
この研究では、使用前の薬用リュウコツ(rawp1)、リュウコツを水で煎じたもの(Rp1)、リュウコツを実際の漢方処方で煎じたもの(Kp1)、Rp1とKp1をそれぞれ3回繰り返し煎じたもの(Rpt1、Kpt1)、合成水酸化アパタイト(SHA)を調べた。
XRDデータはRigaku RAD-Cシステムによって測定した。X線源はグラファイトで単色化したCuKαを使用した。走査範囲は2θ=2°〜120°で、測定ステップ幅は0.02°、1ステップあたり2秒で測定した。リュウコツを構成する主な鉱物は水酸化アパタイト(HA)であると同定した。
リュウコツの代替物質の検討および再利用性を評価するために結晶構造や電子密度分布の比較が必要である。しかし本研究でのMEM/Rietveld法による電子密度分布は単結晶法による電子密度分布との比較検討には不十分な精度であると考えられる。
PO4四面体の電子密度分布の形状に基づいてグループ分けすると〈rawp1、Rpt1、Kpt1、SHA〉と〈Rp1、Kp1〉の2つに分けられた。このことから、一度漢方処方を施すことで構造が変化し、繰り返し処方すると元の構造に戻っていくのではないかと考えられる。また、Rp1のXRDパターンはHAとは異なるピークが高いことが確認できた。
今後の課題として、XRDパターンの測定の精度を上げること、リュウコツのXRDパターンのHAと異なるピークの鉱物相の同定、異なるロットのリュウコツの測定と解析などが挙げられる。
リュウコツの結晶構造や電子密度分布を、実験室機器で測定したノイズの多いXRDデータを用いて調査した。XRDデータのノイズ低減のためにSavitzky-Golay法(Savitzky and Golay, 1964)を適用した。結晶構造及び電子密度分布の解析はRIETAN-FP(Izumi and Momma, 2007)を用いたMEM/Rietveld法によって行った。
この研究では、使用前の薬用リュウコツ(rawp1)、リュウコツを水で煎じたもの(Rp1)、リュウコツを実際の漢方処方で煎じたもの(Kp1)、Rp1とKp1をそれぞれ3回繰り返し煎じたもの(Rpt1、Kpt1)、合成水酸化アパタイト(SHA)を調べた。
XRDデータはRigaku RAD-Cシステムによって測定した。X線源はグラファイトで単色化したCuKαを使用した。走査範囲は2θ=2°〜120°で、測定ステップ幅は0.02°、1ステップあたり2秒で測定した。リュウコツを構成する主な鉱物は水酸化アパタイト(HA)であると同定した。
リュウコツの代替物質の検討および再利用性を評価するために結晶構造や電子密度分布の比較が必要である。しかし本研究でのMEM/Rietveld法による電子密度分布は単結晶法による電子密度分布との比較検討には不十分な精度であると考えられる。
PO4四面体の電子密度分布の形状に基づいてグループ分けすると〈rawp1、Rpt1、Kpt1、SHA〉と〈Rp1、Kp1〉の2つに分けられた。このことから、一度漢方処方を施すことで構造が変化し、繰り返し処方すると元の構造に戻っていくのではないかと考えられる。また、Rp1のXRDパターンはHAとは異なるピークが高いことが確認できた。
今後の課題として、XRDパターンの測定の精度を上げること、リュウコツのXRDパターンのHAと異なるピークの鉱物相の同定、異なるロットのリュウコツの測定と解析などが挙げられる。