[SSS15-P18] 強震記録のスペクトルインバージョンによる長野県北部地域の地盤増幅特性の推定
キーワード:スペクトルインバージョン、地盤増幅、2014年長野県北部の地震
2014年11月22日に起きた長野県神城断層地震は最大震度6弱の地震であった。この地震の特徴として、震度5強を観測した地点から直線距離5km程度離れた地域に被害が密集していた点があげられる。その局所的な地震被害と地盤増幅の関係を明らかにするため、地元ほか(2016)による余震観測の記録と強震観測網を用いて主に長野県北部地域を対象とした強震記録のスペクトルインバージョンを行い、地盤増幅を推定した。スペクトルインバージョンによって分離された伝播経路のQ値は既往の研究と矛盾のない結果を示し、震源特性はオメガ2乗モデルによって説明することができた。被害の大きい地域の地盤増幅は,周波数1-3[Hz]で他の地点と大きな違いを示した。また、地盤増幅倍率とAVS30の相関を見ると、低周波数で相関がよく出ており、本地震での局所的な被害がAVS30の小さい表層が軟らかい地域であるため引き起こされたと考えられる.