JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG29] [EE] Implementing Human Dimensions Research for the Earths Future / Global Land Project

2017年5月20日(土) 13:45 〜 15:15 201A (国際会議場 2F)

コンビーナ:氷見山 幸夫(北海道教育大学名誉教授)、木本 浩一(関西学院大学・共通教育センター)、櫻井 武司(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科)、蟹江 憲史(東京工業大学)、阿部 健一(総合地球環境学研究所)、柴田 英昭(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター)、王 勤学(国立研究開発法人 国立環境研究所)、座長:櫻井 武司(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科)、座長:氷見山 幸夫(北海道教育大学名誉教授)

14:45 〜 15:00

[HCG29-05] 北京市における墓地開発の動向

*土居 晴洋1柴 彦威2 (1.大分大学、2.北京大学)

キーワード:Graveyard, A population increase, Economic growth, Feng Sui

経済成長と人口増加が進む北京市では,住宅や工業用地の開発などによる市街地の空間的拡大とともに,農地や山林を利用して,死者のための墓地開発が盛んに行われてきた。つまり,現世の人口のために使用される土地面積に加えて,死者のために利用される土地面積が増加した。
 死者を弔い,悼む場所としての墓地は文化,宗教などに根ざす人々の価値観を強く反映するため,墓地の態様や土地の使用状況は国や地域により異なる。中国においては,伝統的に風水思想が墓地の立地に影響を与えてきた。風水思想は社会主義国としての中国において20世紀後半に迷信として位置づけられたが,豊かさの上昇とともに,再び影響を与えるようになっていると言われる。
 その結果,より良い墓地を求める市民の需要の増大に対して,土地資源の管理の一環として墓地面積の拡大を如何に抑制するかが課題となっている。本研究は,以上のような問題認識に立ち,「死者のために利用される土地」,つまり墓地の土地面積と埋葬の形態や関連する経済的・社会的・文化的要因を把握することで,人類にとって不可欠の「死者のための土地利用」の形成メカニズムと持続可能性を明らかにすることを目的とする。