JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS12] [EE] Tsunami disaster mitigation

2017年5月25日(木) 10:45 〜 12:15 105 (国際会議場 1F)

コンビーナ:対馬 弘晃(気象庁気象研究所)、馬場 俊孝(徳島大学大学院理工学研究部)、Eddie N. Bernard(Survival Capsule, LLC)、座長:対馬 弘晃(気象庁気象研究所)、座長:Titov Vasily(NOAA/Pacific Marine Environmental Laboratory)

11:45 〜 12:00

[HDS12-11] アップスケーリングによる市街地粗度パラメタリゼーションを用いた津波遡上モデルに関する研究

*福井 信気1森 信人2Prasetyo Adi1間瀬 肇2 (1.京都大学工学研究科、2.京都大学防災研究所)

キーワード:Tsunami, Storm surge, Bottom surface roughness, Manning, Upscaling

2011年の東日本大震災における津波による壊滅的な被害や,南海トラフ地震をはじめとする大規模な地震への危惧のため,高精度の津波遡上モデルの必要性が大きくなってきている.本研究では,現在の市街地粗度パラメタリゼーションよりも正確に建物の効果を算定し,かつ,計算負荷を抑えつつ正確な計算結果を得るため,1) 合成等価粗度モデルと2) 建物抗力モデルという2種類の異なるアップスケーリングによる市街地粗度のパラメタリゼーションを行った.これら2種類のパラメタリゼーションを用いた津波浸水計算の結果を,沿岸市街地模型を用いた津波浸水実験の結果を真値として,最大浸水深,浸水範囲,津波到達時刻の観点で比較した.合成等価粗度モデル,建物抗力モデルの両モデルとも概ね実験結果と合致したが,建物が密集しているところでは合成等価粗度モデルが優れていた.一方で,浸水範囲の端(高台の上にある病院等)では建物抗力モデルの方が優れていた.これは,建物抗力モデルでは流れの向きの効果を再現することができるためである.しかし,両モデルとも粗度パラメータを計算する計算メッシュの大きさに計算結果が左右されるという課題と,一般的建物群に対して,抗力係数の評価が正確にできていないという課題を明らかにした.