JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS02] [EE] 火山噴煙・積乱雲のモデリングとリモートセンシング

2017年5月24日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:佐藤 英一(気象研究所)、鈴木 雄治郎(東京大学地震研究所)、前野 深(東京大学地震研究所)、前坂 剛(防災科学技術研究所)

[MIS02-P01] Volcanic ash plume observation by weather radars

*佐藤 英一1福井 敬一1新堀 敏基1石井 憲介1徳本 哲男1真木 雅之2井口 正人3 (1.気象研究所、2.鹿児島大学、3.京都大学)

キーワード:volcanic ash plume, weather radar, polarimetric radar, fast-scan radar, Sakurajima volcano

これまで、気象レーダーで噴火を観測した事例は数多くある(例えば、澤田(2003)、Marzanoほか(2013))が、定量的な火山灰推定(QAE)技術は未だ確立されていない。その原因のひとつとして、反射強度の不確実性がある。大まかにいえば、このパラメーターは物質の大きさと数の両方を表すが、その2つを分離することが出来ない。言い換えると、反射強度だけでは、粒径分布(PSD)を決定することは出来ない。
そのような状況の中、二重偏波気象レーダーによる火山噴煙の観測が、噴煙内部のPSDに対する情報を得られると期待されている。一般に、二重偏波レーダーは水平と垂直の2つの電波を同時に送信し受信することで、2成分の比や相関係数を得ることが出来る。これらのパラメーターは、QAEに対して有効であると考えられる。
火山噴煙の観測に有効と考えられるもう一つの手段が高速スキャンレーダーである。高速スキャンレーダーによる観測は火山噴煙の3次元画像をわずかな時間で得られるため、この種のレーダーが噴煙のダイナミクスの理解に貢献すると期待している。
気象研究所では、2018年3月からXバンドMPレーダー(MRI-XMP)とKuバンド高速スキャンレーダー(MRI-Ku)による桜島の噴煙観測を開始している。本発表では、桜島の噴火に伴う噴煙のレーダー観測結果を示すとともに、今後の課題や展望について議論する。

参考文献:
澤田可洋, 2003: 気象レーダーで観測された噴煙エコーの記録, 測候時報, 70.4, 119-169.
Marzano, F. S., E. Picciotti, M. Montopoli, and G. Vulpiani, 2013: Inside volcanic clouds: Remote sensing of ash plumes using microwave weather radars, Bull. Amer. Meteor. Soc., 94, 1567–1586, DOI: 10.1175/BAMS-D-11-00160.1.