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[MIS09-01] 空間分析を用いた津波の挙動復元:福島県南相馬市小高区の平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴う津波堆積物の特徴
キーワード:津波堆積物、磁気ファブリック、粒度特性値、空間分析、マッドクラスト
福島県南相馬市小高区の沿岸低地において,平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による津波堆積物の調査を行った.定方位不攪乱試料の採取および層相記載とユニット区分,粒度分析,および帯磁率異方性測定を行った後,層厚,粒度特性値,帯磁率,磁気ファブリック,および地形のデータをもとにArcGISを用いた津波堆積物の空間分析を行った.その結果,以下のことが分かった.
1.福島県南相馬市小高地区では北東方向と東方向から強い営力を持った津波が押し寄せ,県道260号線や河川堤防に衝突し,西部で合流した.また遡上する中で比較的粗粒な堆積物を形成しながら,基底面の水田土壌を侵食し,マッドクラストや泥質砂を含む泥分含有量が高い流体となった.
2. 西部の高まりで合流した二つの遡上流は,流れの方向を変化させ戻り流れとなって,河口に向かって流れた.戻り流れは河川堤防沿いで泥成分を落としきって,東部に向かって泥分含有量の低い流体となった.
3.北部の堆積物は本研究地域よりさらに北東部の人工物などが遡上流によって破壊されたものによる,粗粒な堆積物である.
1.福島県南相馬市小高地区では北東方向と東方向から強い営力を持った津波が押し寄せ,県道260号線や河川堤防に衝突し,西部で合流した.また遡上する中で比較的粗粒な堆積物を形成しながら,基底面の水田土壌を侵食し,マッドクラストや泥質砂を含む泥分含有量が高い流体となった.
2. 西部の高まりで合流した二つの遡上流は,流れの方向を変化させ戻り流れとなって,河口に向かって流れた.戻り流れは河川堤防沿いで泥成分を落としきって,東部に向かって泥分含有量の低い流体となった.
3.北部の堆積物は本研究地域よりさらに北東部の人工物などが遡上流によって破壊されたものによる,粗粒な堆積物である.