14:30 〜 14:45
[MIS12-04] 日本周辺の地震に先行するb値の時空間変動および電離圏総電子数異常
キーワード:地震、電磁気、b値
近年、地震活動に先行する様々な電磁気現象が報告されており、その中でも電離圏総電子数(Total Electron content: TEC)の異常は、短期地震予測の有力な候補である。一方、地圏では大地震に先行してグーテンベルク・リヒター(G-R)則に従うb値が本震付近において本震の数年前(場合によって数十年スケール)から低下する現象がある。TEC変動は宇宙天気など太陽活動による影響も大きく、地震に関連するTEC異常を他の変動から区別することは困難である。
そこで本研究では、電磁気的アプローチ(電離層)に力学的アプローチ(b値解析)を加えることにより予測精度の向上を試みる.つまり、b値解析を用いた地殻変動(応力場の変動)の観測・監視による中期および短期予測方法の開発とTEC変動の観測・監視を統合し、地震短期予測手法の高度化とその観測学的検証を行う.
本研究では、2003年、2008年十勝沖地震、2011年東北沖地震を対象とした.まずは、繰り返してM7クラスの地震が発生している十勝沖や東北沖のb値解析を行った.その結果、解析領域内やその近傍で発生したM7以上の地震に対して、b値が過去の平均値よりも継続して低下する傾向があることがわかった.2003年十勝沖地震(M8.0)に関して1日ごとのb値の時間変化を調査した結果、本震発生の16日前と3日前と2日前にb値がステップ状に低下することがわかった.そこで、b値時系列データの異常として、過去のb値の平均値を継続的に下回った場合を異常と定義した.一方、北海道地域のTEC異常に関しては、M6.0以上深さ40 km以浅の地震の1-5日前に正の異常が有意であることが統計的に確認された.2003年十勝沖地震(M8.0)に関しては、本震2日前に正のTEC異常が始まることが確認されている.この直後から太陽活動が活発になり、その後の正の異常は太陽活動にマスクされている可能性がある.これらのことから、十勝沖に関しては、b値異常が本震に16日前に先行して発生し、その後TEC異常が続くことがわかる.2011年東北沖地震でも同様な傾向が見られた.
以上のことから、十勝沖地域と東北地域においてはM7以上の地震に対して、TEC異常変動解析にb値異常解析による拘束を加えることで地震短期予測精度が向上することがわかった.詳細は講演時に発表する。
そこで本研究では、電磁気的アプローチ(電離層)に力学的アプローチ(b値解析)を加えることにより予測精度の向上を試みる.つまり、b値解析を用いた地殻変動(応力場の変動)の観測・監視による中期および短期予測方法の開発とTEC変動の観測・監視を統合し、地震短期予測手法の高度化とその観測学的検証を行う.
本研究では、2003年、2008年十勝沖地震、2011年東北沖地震を対象とした.まずは、繰り返してM7クラスの地震が発生している十勝沖や東北沖のb値解析を行った.その結果、解析領域内やその近傍で発生したM7以上の地震に対して、b値が過去の平均値よりも継続して低下する傾向があることがわかった.2003年十勝沖地震(M8.0)に関して1日ごとのb値の時間変化を調査した結果、本震発生の16日前と3日前と2日前にb値がステップ状に低下することがわかった.そこで、b値時系列データの異常として、過去のb値の平均値を継続的に下回った場合を異常と定義した.一方、北海道地域のTEC異常に関しては、M6.0以上深さ40 km以浅の地震の1-5日前に正の異常が有意であることが統計的に確認された.2003年十勝沖地震(M8.0)に関しては、本震2日前に正のTEC異常が始まることが確認されている.この直後から太陽活動が活発になり、その後の正の異常は太陽活動にマスクされている可能性がある.これらのことから、十勝沖に関しては、b値異常が本震に16日前に先行して発生し、その後TEC異常が続くことがわかる.2011年東北沖地震でも同様な傾向が見られた.
以上のことから、十勝沖地域と東北地域においてはM7以上の地震に対して、TEC異常変動解析にb値異常解析による拘束を加えることで地震短期予測精度が向上することがわかった.詳細は講演時に発表する。