13:45 〜 15:15
[O05-P34] 遠州灘鮫島海岸にみられる板状海浜砂固結物の形態と成因
キーワード:海浜砂固結物、砂浜、塩
1.はじめに
遠州灘の磐田市鮫島海岸の前浜において,海浜砂が固着している堆積物を発見した.この堆積物の先行研究は無かったため,この固着した砂を海浜砂固結物と命名し,その形態や成因を研究することにした
2.方法
野外調査により海岸での海浜砂固結物の形態の分類を行った.次に前浜を固結区と非固結区にわけて,粒度組成分析,鉱物組成分析,モール法による塩化物イオンの定量分析を行った.さらに,微細構造を調べるために双眼実体顕微鏡と電子顕微鏡による観察を行った.
3.結果
この結果,海浜砂固結物の形態は崖型と平坦面型に,さらに平坦面型は板状と塊状に分類することができた.このうち板状海浜砂固結物に着目すると,固結区と非固結区に鉱物組成や粒度組成に有意な差がないこと,塩化物イオンの量は固結区では多いが陸側の非固結区では減少することがわかった.また,双眼実体顕微鏡により海浜砂固結物を観察すると,砂粒子を結合させているうろこ状や粒状で白色から透明な結晶が析出していた.これを電子顕微鏡により元素マッピングを行ったところ,これらの結晶はNaClやCaSO4等の塩であることが分かった.
4.結論
以上から海浜砂固結物は,満潮時に海浜砂を覆った海水が蒸発して,海水に含まれている塩類を析出し,その塩類が砂同士を固着したものであると分かった.
遠州灘の磐田市鮫島海岸の前浜において,海浜砂が固着している堆積物を発見した.この堆積物の先行研究は無かったため,この固着した砂を海浜砂固結物と命名し,その形態や成因を研究することにした
2.方法
野外調査により海岸での海浜砂固結物の形態の分類を行った.次に前浜を固結区と非固結区にわけて,粒度組成分析,鉱物組成分析,モール法による塩化物イオンの定量分析を行った.さらに,微細構造を調べるために双眼実体顕微鏡と電子顕微鏡による観察を行った.
3.結果
この結果,海浜砂固結物の形態は崖型と平坦面型に,さらに平坦面型は板状と塊状に分類することができた.このうち板状海浜砂固結物に着目すると,固結区と非固結区に鉱物組成や粒度組成に有意な差がないこと,塩化物イオンの量は固結区では多いが陸側の非固結区では減少することがわかった.また,双眼実体顕微鏡により海浜砂固結物を観察すると,砂粒子を結合させているうろこ状や粒状で白色から透明な結晶が析出していた.これを電子顕微鏡により元素マッピングを行ったところ,これらの結晶はNaClやCaSO4等の塩であることが分かった.
4.結論
以上から海浜砂固結物は,満潮時に海浜砂を覆った海水が蒸発して,海水に含まれている塩類を析出し,その塩類が砂同士を固着したものであると分かった.