13:45 〜 15:15
[O05-P57] 兵庫県南部のカルデラの北限はどこで、どのようなマグマ活動が起こったのか
キーワード:カルデラ、流紋岩質凝灰岩、安山岩の貫入、断層群
地元兵庫県南部西脇市を流れる1級河川加古川の氾濫で、筆者らは水害を受けた。その原因が地質構造や岩石分布にあると考え、2014年度から継続研究をおこなっている。昨年度、加古川が白亜紀のカルデラの上を流れていることを示したが、カルデラの北限の位置やマグマ活動が不明であるなどの課題があり、この解明を目的に研究をおこなった。
カルデラの位置を確認するために、南部の加古川市から西脇市をこえて北部の朝来市まで、兵庫県を東西30km×南北90kmの範囲で、加古川-円山川に沿って兵庫県を縦断して露頭調査をおこなった。10日間の調査の後、採取した103個の岩石試料をすべて薄片にして偏光顕微鏡で観察するほか、岩石の同定のために全岩化学組成分析をおこなった。
その結果、西脇市に、東西方向とそれに直交する複数の断層群がのびていること、これを境に、以南は流紋岩質凝灰岩、以北は安山岩質凝灰岩となり、走向もほぼ90°異なることがわかった。加古川流域に広がる流紋岩質凝灰岩は、複数の安山岩の貫入岩体を伴っている。
以上より、カルデラの北限は西脇市にあることを明らかにすることができた。加古川はカルデラ上を流れていることになるため、氾濫の原因をカルデラ内のマグマ活動に求めることができる。加古川流域に広く分布する軟らかい凝灰岩に硬質な安山岩が貫入して自然堤防が形成されていることが、洪水が起こる原因となっている。
現在、本研究の成果を行政に提供し、治水工事のあり方について共同で検討している。また、カルデラが1~20km程度の複数のカルデラ群によって構成されている可能性があるため、現在も露頭調査を継続しておこなっている。さらに、カルデラの北側(日本海に面した地域)のマグマ活動を明らかにするための露頭調査も始めている。
カルデラの位置を確認するために、南部の加古川市から西脇市をこえて北部の朝来市まで、兵庫県を東西30km×南北90kmの範囲で、加古川-円山川に沿って兵庫県を縦断して露頭調査をおこなった。10日間の調査の後、採取した103個の岩石試料をすべて薄片にして偏光顕微鏡で観察するほか、岩石の同定のために全岩化学組成分析をおこなった。
その結果、西脇市に、東西方向とそれに直交する複数の断層群がのびていること、これを境に、以南は流紋岩質凝灰岩、以北は安山岩質凝灰岩となり、走向もほぼ90°異なることがわかった。加古川流域に広がる流紋岩質凝灰岩は、複数の安山岩の貫入岩体を伴っている。
以上より、カルデラの北限は西脇市にあることを明らかにすることができた。加古川はカルデラ上を流れていることになるため、氾濫の原因をカルデラ内のマグマ活動に求めることができる。加古川流域に広く分布する軟らかい凝灰岩に硬質な安山岩が貫入して自然堤防が形成されていることが、洪水が起こる原因となっている。
現在、本研究の成果を行政に提供し、治水工事のあり方について共同で検討している。また、カルデラが1~20km程度の複数のカルデラ群によって構成されている可能性があるため、現在も露頭調査を継続しておこなっている。さらに、カルデラの北側(日本海に面した地域)のマグマ活動を明らかにするための露頭調査も始めている。