13:45 〜 15:15
[O05-P74] 深海生物の発光
キーワード:深海生物、生物発光、発光其質、発光酵素
一般的に深海とは推進200m以下の海域を指し、太陽の光が届かず暗闇の世界です。その暗闇の中で生存するために、深海生物は『発光』という術を獲得しています。
そこで私たちは、「深海生物の発光の有用性」また、「深海生物の発光のしくみ」の二つの視点に立ち調査を実施しました。
一点目について、深海生物の発光には三つの役割があります。まず、カウンターイルミネーションという自己防衛のための発光です。ハダカイワシやホタルイカ、ムネエクは、この発光によって、自らを周囲に溶け込ませ、天敵の目を欺くことができます。カウンターイルミネーションは、トワイライトゾーンと呼ばれる太陽光が届くような薄暗い場所で用いられます。
二つ目は、コミュニケーションのためです。浅い海に暮らす魚が群れを作るために集合する際には資格に加えて反射光が利用されています。しかし、深海では反射光がないため、生物発光を集団の維持に利用していると考えられています。深海では発光器官の位置、数、大きさ、発光パターン等が模様の代わりとなり、同じ種同士の認識に使われています。また、求愛の際に用いて、生殖にすべてをささげているミツマタヤリウオ、ハダカイワシ類、ワニトカゲギス類があげられます。
最後の役割は、捕食です。光で餌となる生き物をおびき寄せ、周りを明るくして餌を発見しやすくすることで、餌を獲得しやすくします。この例として有名なのがチョウチンアンコウ類ですが、メスの発光を頼りにして、押すが繁殖相手のメスを探し当てる可能性などが考えられており、まだ分からないことが多いです。
次に、発光はどのようにして起こっているのかについて明らかにします。生物発光は発光其質であるルシフェリンと、発光酵素ルシフェラーゼの化学反応により引き起こされる現象です。深海魚による生物発光には、発光バクテリアを体内に住まわせることによる共生発光と、自身が発光其質を作り出す自力発光とがあります。
浅瀬に住むウミホタルを例に、この発光の仕組みについてさらに説明をしていきます。調査では、ビンやペットボトルを加工し餌を入れた装置でウミホタルを採集し、ウミホタルの発光を観察しました。ウミホタルは上唇内の分泌腺から生成するウミホタルルシフェリンとウミホタルルシフェラーゼによって青く発光します。
今回の調査では、ウミホタルを強制的に発光させる実験も行いました。「冷海水滴下法」と「弱電気感電法」の二つの手法で行いました。
「冷海水滴下法」では、冷やした海水を用いれば、ウミホタルを何度も発光させることができ、細かく何度も観察するためには有効です。
「弱電気感電法」では、ウミホタルの動きを止め、注視しながら観察できますが、ウミホタルが弱ってしまうという点では長時間の実験には向きません。
これらの実験や調査の結果から、深海に住む生き物にとって、発光はなくてはならない存在であることが分かりました。太陽の光が届く地上や浅い海とは異なり、非常に苛酷な環境で生存する工夫がいくつもあるため、今後も引き続き調査を深めたいと考えています。
そこで私たちは、「深海生物の発光の有用性」また、「深海生物の発光のしくみ」の二つの視点に立ち調査を実施しました。
一点目について、深海生物の発光には三つの役割があります。まず、カウンターイルミネーションという自己防衛のための発光です。ハダカイワシやホタルイカ、ムネエクは、この発光によって、自らを周囲に溶け込ませ、天敵の目を欺くことができます。カウンターイルミネーションは、トワイライトゾーンと呼ばれる太陽光が届くような薄暗い場所で用いられます。
二つ目は、コミュニケーションのためです。浅い海に暮らす魚が群れを作るために集合する際には資格に加えて反射光が利用されています。しかし、深海では反射光がないため、生物発光を集団の維持に利用していると考えられています。深海では発光器官の位置、数、大きさ、発光パターン等が模様の代わりとなり、同じ種同士の認識に使われています。また、求愛の際に用いて、生殖にすべてをささげているミツマタヤリウオ、ハダカイワシ類、ワニトカゲギス類があげられます。
最後の役割は、捕食です。光で餌となる生き物をおびき寄せ、周りを明るくして餌を発見しやすくすることで、餌を獲得しやすくします。この例として有名なのがチョウチンアンコウ類ですが、メスの発光を頼りにして、押すが繁殖相手のメスを探し当てる可能性などが考えられており、まだ分からないことが多いです。
次に、発光はどのようにして起こっているのかについて明らかにします。生物発光は発光其質であるルシフェリンと、発光酵素ルシフェラーゼの化学反応により引き起こされる現象です。深海魚による生物発光には、発光バクテリアを体内に住まわせることによる共生発光と、自身が発光其質を作り出す自力発光とがあります。
浅瀬に住むウミホタルを例に、この発光の仕組みについてさらに説明をしていきます。調査では、ビンやペットボトルを加工し餌を入れた装置でウミホタルを採集し、ウミホタルの発光を観察しました。ウミホタルは上唇内の分泌腺から生成するウミホタルルシフェリンとウミホタルルシフェラーゼによって青く発光します。
今回の調査では、ウミホタルを強制的に発光させる実験も行いました。「冷海水滴下法」と「弱電気感電法」の二つの手法で行いました。
「冷海水滴下法」では、冷やした海水を用いれば、ウミホタルを何度も発光させることができ、細かく何度も観察するためには有効です。
「弱電気感電法」では、ウミホタルの動きを止め、注視しながら観察できますが、ウミホタルが弱ってしまうという点では長時間の実験には向きません。
これらの実験や調査の結果から、深海に住む生き物にとって、発光はなくてはならない存在であることが分かりました。太陽の光が届く地上や浅い海とは異なり、非常に苛酷な環境で生存する工夫がいくつもあるため、今後も引き続き調査を深めたいと考えています。