11:45 〜 12:00
[PEM20-05] IMF-Byの卓越した太陽風中の月のウェイク境界における磁場擾乱の偏波非対称について
キーワード:太陽風、ウェイク境界、ケルビンヘルムホルツ不安定、表面波、偏波
太陽風磁場のBy成分が卓越しているとき、極軌道で月を周回するかぐや衛星の磁場観測によって、北半球と南半球で磁場に対する偏波が逆になる低周波(0.1-0.3Hz)の磁場変動が見られた。IMF-ByがSSE座標で正(duskward)のときは北半球で左回り、南半球で右回り、IMF-Byが負(dawnward)のときは北半球で右回り、南半球で左回りであった。これはIMF-Byの極性に関わらず、rotBが北半球でdawnward、南半球でduskwardを向いていることを示し、Kelvin-Helmholz不安定と同じ向きである。
ウェイク境界では周波数が高め(0.5Hz)でかつ周波数幅が広く、波形も三角であるが、衛星が月の真裏のウェイク中心に進むにつれ、周波数は下がり(0.05Hz)、sinusoidalな波形となっていた。この状況は、地球の磁気圏境界を太陽風が吹きすぎる際の表面波の場合と類似している。Chen and Hasegawa (1974, JGR)は境界層に厚みがあると表面波が減衰することを示していたが、月のウェイク境界は密度勾配が急峻で、1.0RLから0.88RLまでの距離0.12RLで100分の1になることから、exp(-z/L)の形に書いた際のLは40km程度であり、そのために表面波の減衰が弱く、境界から遠いウェイク中心でも波が残っていたと考えられる。
ウェイク境界では周波数が高め(0.5Hz)でかつ周波数幅が広く、波形も三角であるが、衛星が月の真裏のウェイク中心に進むにつれ、周波数は下がり(0.05Hz)、sinusoidalな波形となっていた。この状況は、地球の磁気圏境界を太陽風が吹きすぎる際の表面波の場合と類似している。Chen and Hasegawa (1974, JGR)は境界層に厚みがあると表面波が減衰することを示していたが、月のウェイク境界は密度勾配が急峻で、1.0RLから0.88RLまでの距離0.12RLで100分の1になることから、exp(-z/L)の形に書いた際のLは40km程度であり、そのために表面波の減衰が弱く、境界から遠いウェイク中心でも波が残っていたと考えられる。