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[PEM22-09] 新型イオノゾンデVIPIR2による電離圏の初期観測結果
キーワード:イオノゾンデ、VIPIR2、HFレーダー
情報通信研究機構では、60年以上にわたってイオノゾンデによる電離圏観測を継続実施しており、その観測結果は、電離圏研究の基礎データとして、また、短波帯無線通信等の重要な情報源として活用されている。イオノゾンデ観測システムは幾多の変遷を重ねてきているが、2001年からは「10C型イオノゾンデ」により、国内4観測点(サロベツ、国分寺、山川、大宜見)で観測を続けてきた。また、イオノグラムからfoF2やfoEsなど電離圏主要パラメータを独自開発ソフトウェアで自動導出し、電離圏の現況把握や電離圏擾乱の警報発令に利用するとともに、インターネットで一般に公開している(http://wdc.nict.go.jp/IONO/)。しかし、10C型イオノゾンデでは、正常波と異常波を分離して観測することができないため、自動読み取りを困難にしている。一方、主に米国で開発されてきたVertical Incidence Pulsed Ionospheric Radar 2 (VIPIR2)は、複数のアレイアンテナにより、正常波と異常波の分離観測を可能としている。我々は、国内定常観測用イオノゾンデの後継機として、2014年度より、VIPIR2の導入を進めてきた。2016年2月には、国内4観測点においてハードウェアの設置を完了し試験運用を開始し、正常波と異常波の自動分離に成功している。また、複数のアンテナを用いた電波到来方向の推定にも取り組んでいる。本講演では、VIPIR2を用いた電離圏観測の初期結果について報告するとともに、今後のデータ活用方法について議論する。