JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS07] [JJ] 惑星科学

2017年5月25日(木) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:鎌田 俊一(北海道大学 創成研究機構)、岡本 尚也(千葉工業大学惑星探査研究センター)

[PPS07-P09] 捕獲された微惑星の周惑星円盤内での分布

*末次 竜1大槻 圭史2 (1.産業医科大学、2.神戸大学)

キーワード:惑星、衛星

木星や土星などの巨大惑星の周りには、衛星が公転している。こうした衛星はほぼ円軌道で惑星の赤道面を公転している。そのため巨大惑星の形成過程において惑星周りに形成された周惑星円盤内で衛星は誕生したと考えられている。現在の衛星形成モデルでは、周惑星円盤に降着するガス流とともに流入してくるダストサイズの固体物質が衛星の主な材料物質と考えられている。ところが、最近の軌道計算を用いた固体物質の周惑星円盤への供給過程を調べた研究から、衛星の材料となった固体物質は従来のダストサイズのものだけでなく、比較的大きな固体物質(10m-1km)も、周惑星円盤に供給されうることが明らかになった。しかしながら、周惑星円盤に供給された固体物質の円盤内での空間分布は、衛星の形成や軌道進化に大きな影響を与えるにも関わらず、ほとんど解明されていない。そこで本研究では周惑星円盤からのガス抵抗によって捕獲された微惑星サイズの固体物質の周惑星円盤内での空間分布を軌道計算を用いて調べた。計算の結果、周惑星円盤内にある捕獲された微惑星は、捕獲後、順行方向に公転するもの、逆行方向に公転するもの、そして捕獲されず円盤を通過していくものの三種類に分類できることが明らかとなった。それらの面数密度を求めた結果、現在の木星のガリレオ衛星が公転している領域において捕獲された微惑星が分布することがわかった。また惑星軌道近傍の微惑星のギャップによる非一様分布を考慮した場合、周惑星円盤内の捕獲された微惑星の面数密度はギャップの拡大とともに減少していくことが明らかとなった。得られた数値計算結果をもとに、周惑星円盤内におけるダストと捕獲された微惑星の面密度を簡単に見積もり、それらの比較も行った。