[SCG71-P19] 水中映像記録を用いた中部沖縄トラフにおける海底地形・地質情報の整理と可視化
近年の海洋鉱物資源調査では、資源成因研究を目的として海底地形調査、物理探査、生物学的調査、地球化学的調査のための潜航、海底掘削等、多く実施されており、これらのデータを統合的に解析する手法の実用化が期待されている。本研究では、これまでJAMSTECが中部沖縄トラフを対象として実施した「しんかい6500」、「ハイパードルフィン」、「ディープ・トウ」による複数の潜航において取得された映像記録から、資源調査において最も基本となる海底表層地形・地質データを抽出し、コンパイルしてデータベース化する作業を実施した。抽出したデータは、探査機の位置情報（緯度、経度、深度、高度、機首方位）、海底地質（岩盤・溶岩、硫化帯、砂・泥、リップル、礫の有無）、構造地質（断層・亀裂、チムニー、熱水・湧水）、生物情報（バイオマット、生物密集域の有無）、観察所見（地質境界や地形の特徴など）、映像より取得した画像ファイルである。これらデータを、各潜航の時刻ごとに、イベントリストにまとめた。これらのとりまとめたデータは、既往データの情報閲覧および検索、将来調査計画の立案、新たな研究テーマの発見などを容易にするためにGISに登録した。作成したデータベースに、各機関で実施されている掘削データや物理探査データを統合することにより、資源調査の基本となる対象海域の詳細な3次元地質情報の推定が期待できる。