[SGD03-P01] 「地球規模の測地基準座標系(GGRF)」の強化にむけた国連の活動
キーワード:地球規模の測地基準座標系、国際連合、GGRFロードマップ
国連総会は,2015年2月26日,地球規模の測地基準座標系(GGRF)が社会,経済,科学に不可欠な基盤インフラであることを認めて,決議「持続可能な開発のための地球規模の測地基準座標系」を採択した.この決議は,測地学の分野で地球規模の連携した取り組みを行う重要性を初めて認めた国連総会決議で,加盟国に連携してGGRFの構築,維持を行うことを求めている.決議では,ロードマップを作成して決議を実行すること,途上国の技術,能力開発を強化すること,各国が責任を持って自国の測地観測を改善することなど,6つの決議文が採択された.決議に基づき,国連地球規模の地理空間情報管理に関する専門家委員会(UNCE-GGIM)が設置した作業部会がロードマップを作成し,ロードマップは,2016年8月には,第6回のUNCE-GGIM会合において承認された.ロードマップでは,決議で示された5つの項目,測地インフラ,基準・標準,教育・能力開発,広報・アウトリーチ,ガバナンスに関して,確実なGGRFの構築と維持を行ううえで,現状でどのような課題があるかを分析するとともに,その課題を解決する方策を提案している.UN-GGIM第6回会合では,作業部会をUN-GGIMのもとに公式の準委員会(sub-committee)として昇格し,引き続き,ロードマップの推奨項目を実施するための実施計画を作成することを承認した.今後は,ロードマップの5項目について,準委員会が実施計画の作成を継続し,GGRFの維持に向けた連携が行われる予定である.国土地理院は,作業部会のメンバーとしてロードマップの作成に貢献するとともに,引き続き順位委員会に参加して実施計画の作成に貢献していく.発表では,持続可能なGGRFの構築に向けた国連の活動の状況を報告する.