[SSS10-P22] 精密水準測量によって検出された御嶽山2014年噴火後の上下変動(2014-2016)
キーワード:御嶽山、精密水準測量、上下変動
長野県・岐阜県境の御嶽山において2014年9月27日に水蒸気噴火が発生した。御嶽山の2014年噴火の過程および次の噴火への準備過程を議論するため、御嶽山東山麓の水準路線において、2014年噴火直後の10月15日~17日、噴火約半年後の2015年4月21日~24日、噴火約2年後の2016年9月19日~22日に測量を行なった。
再測された水準路線は、2014年噴火以前から繰り返し測量されていた屋敷野路線(約17㎞)、木曽温泉路線(約8㎞)、2014年噴火直後の2014年10月に、より山頂に近い領域での上下変動の検出をめざし新設された御岳ロープウエイ路線(約8㎞)さらに2015年4月に御岳ロープウエイ路線を約3㎞(中の湯路線)、屋敷野路線を約2㎞延長している。
2014年10月−2015年4月における上下変動として、水準路線の南東端の上松(御嶽山山頂南東側約20㎞)を不動点として、御岳ロープウエイ路線・屋敷野路線で約4㎜の隆起が検出された。噴火後半年間では概してわずかな山頂方向の隆起を示す結果となった。
2015年4月−2016年9月の期間で、上松の不動点に対して、御岳ロープウエイ・中の湯路線で約6mmの隆起・屋敷野路線で約3㎜の沈降のわずかな上下変動が検出された。
2014年噴火前の準備過程において屋敷野路線と木曽温泉路線は両方の路線とも隆起であり、また噴火後は両方の路線とも沈降が検出された。2014年噴火時やその準備過程では屋敷野路線・木曽温泉路線の両路線まで及ぶような比較的広い変動があったと考えられる。それに対し、2015年4月~2016年9月の結果では、屋敷野路線はわずかな沈降を示しているのに対し、中の湯路線は隆起を示している。隆起を示した中の湯路線は前回2015年4月に設置した路線であり、今回始めて変動を得たため噴火前の結果は無いが、路線近傍の局所的な変化を捉えてしまっている可能性も考えられる。今後観測を継続することによって、今回の隆起が御嶽山地下のマグマの蓄積過程による変動を示しているかを見極める必要があると考える。
再測された水準路線は、2014年噴火以前から繰り返し測量されていた屋敷野路線(約17㎞)、木曽温泉路線(約8㎞)、2014年噴火直後の2014年10月に、より山頂に近い領域での上下変動の検出をめざし新設された御岳ロープウエイ路線(約8㎞)さらに2015年4月に御岳ロープウエイ路線を約3㎞(中の湯路線)、屋敷野路線を約2㎞延長している。
2014年10月−2015年4月における上下変動として、水準路線の南東端の上松(御嶽山山頂南東側約20㎞)を不動点として、御岳ロープウエイ路線・屋敷野路線で約4㎜の隆起が検出された。噴火後半年間では概してわずかな山頂方向の隆起を示す結果となった。
2015年4月−2016年9月の期間で、上松の不動点に対して、御岳ロープウエイ・中の湯路線で約6mmの隆起・屋敷野路線で約3㎜の沈降のわずかな上下変動が検出された。
2014年噴火前の準備過程において屋敷野路線と木曽温泉路線は両方の路線とも隆起であり、また噴火後は両方の路線とも沈降が検出された。2014年噴火時やその準備過程では屋敷野路線・木曽温泉路線の両路線まで及ぶような比較的広い変動があったと考えられる。それに対し、2015年4月~2016年9月の結果では、屋敷野路線はわずかな沈降を示しているのに対し、中の湯路線は隆起を示している。隆起を示した中の湯路線は前回2015年4月に設置した路線であり、今回始めて変動を得たため噴火前の結果は無いが、路線近傍の局所的な変化を捉えてしまっている可能性も考えられる。今後観測を継続することによって、今回の隆起が御嶽山地下のマグマの蓄積過程による変動を示しているかを見極める必要があると考える。