[SSS15-P29] 回転成分推定法の開発について
キーワード:回転成分推定法、地表面、微動、小規模高密度アレイ
ねじれ振動による建物の被害の報告は古くから多くある。しかしながら、ねじれ振動の生成原因は主に建物の偏心に求めており、回転入力の影響についてはよくわかっていないため、無視されている。よって、回転入力の影響の有無を論じるためにも、回転成分を推定する方法の開発が重要になる。本研究では、地表面におけるロッキング2成分とトーション1成分の回転3成分ベクトルの2つの推定法を開発する。
1)n次弾性体法
最初は、n次弾性体法と呼び、地表面が弾性体であると仮定し、回転ベクトルは地盤振動の空間に関する1次導関数から構成される。1次導関数は、複数観測点の差動をn次のテーラー展開することにより得られる連立方程式より求める。
2)n次弾性体法もしくは単点剛体法
2つ目は剛体法と呼び、地表面を剛体と仮定して観測差動から最小二乗法により求める。剛体法は更に複数観測点の差動記録を用いる多点剛体法、2点の観測点の差動記録のみを用いる単点剛体法に細分される。
この二つの方法について、小規模高密度微動アレイ観測記録を適用した。また、1次弾性体法と多点剛体法が同じであることも示した。n次弾性体法を小規模高密度微動アレイ記録に適用した結果、3成分の角加速度が推定でき、トーション成分に対しては剛体として振舞う範囲が基準点を中心とした半径5m程度内である可能性を示せた。さらに、観測の最も簡単な単点剛体法による自乗平均平方根は、基準点近傍では1次弾性体法(或いは、多点剛体法)によるそれとほぼ同じであることもわかった。
1)n次弾性体法
最初は、n次弾性体法と呼び、地表面が弾性体であると仮定し、回転ベクトルは地盤振動の空間に関する1次導関数から構成される。1次導関数は、複数観測点の差動をn次のテーラー展開することにより得られる連立方程式より求める。
2)n次弾性体法もしくは単点剛体法
2つ目は剛体法と呼び、地表面を剛体と仮定して観測差動から最小二乗法により求める。剛体法は更に複数観測点の差動記録を用いる多点剛体法、2点の観測点の差動記録のみを用いる単点剛体法に細分される。
この二つの方法について、小規模高密度微動アレイ観測記録を適用した。また、1次弾性体法と多点剛体法が同じであることも示した。n次弾性体法を小規模高密度微動アレイ記録に適用した結果、3成分の角加速度が推定でき、トーション成分に対しては剛体として振舞う範囲が基準点を中心とした半径5m程度内である可能性を示せた。さらに、観測の最も簡単な単点剛体法による自乗平均平方根は、基準点近傍では1次弾性体法(或いは、多点剛体法)によるそれとほぼ同じであることもわかった。