JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT57] [EJ] 合成開口レーダー

2017年5月24日(水) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:宮城 洋介(防災科学技術研究所)、小林 祥子(玉川大学)、山之口 勤(一般財団法人 リモート・センシング技術センター)、森下 遊(国土交通省国土地理院)

[STT57-P05] RADARSAT-2、ALOS、ALOS-2のデータを利用した干渉SAR(関東地方の事例)

*森下 遊1 (1.国土地理院)

キーワード:干渉SAR、RADARSAT-2、ALOS、ALOS-2、Cバンド、Lバンド

衛星SARで利用されている周波数帯は主にLバンド、Cバンド、Xバンドの3種類である。干渉SARにおいて周波数帯の違いは干渉性や変位計測精度に多大な影響を及ぼす、重要な要素である。それぞれの周波数帯に長所及び短所があり、対象に応じて適切な周波数帯を選択することや複数の周波数帯を組み合わせることで、変位計測能力を高めることが可能となる。
 日本においては、国産のLバンドSAR衛星であるALOS及びALOS-2のデータが盛んに用いられてきた。しかし、これらのデータには、他の周波数帯に比べて計測精度が低く、観測頻度が高くないという欠点がある。さらに、ALOSが運用を停止した2011年5月からALOS-2が観測を開始した2014年8月までの3年以上の間は、観測データが存在せず、どのような地表変位があったかを調べることができない。地盤沈下や火山等、長期間の連続的な変位監視が必要な対象にとって、特に東北地方太平洋沖地震の直後であることもあり、その空白期間を埋めることは重要である。
 ALOSシリーズの空白期間に運用されていた数少ないSAR衛星の一つとして、カナダのCバンドSAR衛星RADARSAT-2がある。CバンドデータはLバンドに比べて植生の影響を受けやすいが、計測精度は高く、特定の領域ではデータ量も多い。今回、国土地理院とJAXA、JAXAとCSAの協定に基づき、ALOSシリーズの空白期間を含む、関東地方におけるRADARSAT-2のデータを取得することができた。本発表では、立川断層周辺及び箱根山を含む関東地方におけるRADARSAT-2、ALOS及びALOS-2のSAR干渉解析結果と、それらの比較について報告する。