公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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CAD/CAM冠の卒前教育

2024年7月5日(金) 16:55 〜 17:55 第3会場 (幕張メッセ国際会議場 2F 201)

座長:島田 明子(大歯大)

[ECS] CAD/CAM冠の卒前教育に関するアンケート調査報告

*築山 能大1 (1. 九州大学大学院歯学研究院総合歯科学講座歯科医学教育学分野)

[Abstract]
 2014年にハイブリッドレジンを用いたCAD/CAM冠が保険収載され,その後,適用条件はあるものの臼歯部にまで保険適用が拡大した.また,歯科金属アレルギーの問題や昨今の金属材料の高騰とも相まってCAD/CAM冠の重要性は以前よりも増している.一方で,CAD/CAM冠に関する臨床トラブル(脱離,破損など)も報告されている.そこで,全国の歯科大学・歯学部におけるCAD/CAM冠に関する教育実態の把握を目的にアンケート調査を行うこととした.
 全国の歯科大学・歯学部のある29施設にアンケート調査を依頼した.アンケートはGoogleフォームを用いて実施し,CAD/CAM冠に関する講義および実習の実態について,またCAD/CAMに用いる機器について調査した.その結果,24施設からアンケートの回答が得られた.CAD/CAM冠に関する講義はすべての施設で行っているが,半数の施設で時間数は1コマ程度だった.実習に関しては20施設で行われているが,実際に行っていない施設もあった.また実習内容は,支台歯形成に時間を割いてる施設は多いが,印象採得やCADに割り当てている時間数は少なかった.特に,CAMに関しては極端に少なく,CAMの実習を行っているのは10施設であった.CAD/CAMに用いる機器に関しては,各施設さまざまなものを使用していた.以上より,一部の施設を除き多くの施設においてCAD,CAMの教育に当てられる時間数が極端に少ないことがわかった.CAD/CAMに使用する機器の整備は多面にわたり早期に対応するのは難しいと思われるが,CAD/CAM冠に関する卒前教育の改善が必要と考えられる.

トピックス
●CAD/CAM冠
●卒前教育
●アンケート調査