[ES2-2] バイオロジーのcutting edge ─網羅的解析の現状と未来─
[Abstract]
シングルセルRNAシーケンス解析の登場により1細胞単位での遺伝子発現評価が可能となり,不均一な細胞集団の機能や細胞間相互作用の解明が飛躍的に進んでいる.この新たなトランスクリプトーム解析は,トップジャーナルの論文には欠かせない実験手法である一方で,解析にかかる費用が極めて高く,高度なコンピュータ解析が必要なことから,歯科補綴学領域の研究者にとってはいまだハードルが高いと思われる.
発表者は3年前に留学先である米国UCLAでシングルセルRNAシーケンス解析を行う機会を得た.発表者らはこれまでにマウス歯周組織を対象としたシングルセル解析を行い,歯肉線維芽細胞や免疫細胞が歯周組織の急性炎症に及ぼす影響を報告してきた.現在,発表者らは抜歯後の顎堤形態変化を制御し,予知性の高い補綴歯科治療を達成するため,シングルセル解析を応用した抜歯窩治癒の免疫機構の探索を進めている.
本講演では,シングルセル解析に興味はあるが,なかなか手を出せない若手歯科補綴学研究者の背中を押すために,発表者のこれまでの経験や研究内容を基にシングルセル解析の有用性や実験に必要な知識や技術,どこまでの作業を自分で行うべきかを解説し,歯科補綴学研究におけるシングルセル解析の可能性について議論したい.
シングルセルRNAシーケンス解析の登場により1細胞単位での遺伝子発現評価が可能となり,不均一な細胞集団の機能や細胞間相互作用の解明が飛躍的に進んでいる.この新たなトランスクリプトーム解析は,トップジャーナルの論文には欠かせない実験手法である一方で,解析にかかる費用が極めて高く,高度なコンピュータ解析が必要なことから,歯科補綴学領域の研究者にとってはいまだハードルが高いと思われる.
発表者は3年前に留学先である米国UCLAでシングルセルRNAシーケンス解析を行う機会を得た.発表者らはこれまでにマウス歯周組織を対象としたシングルセル解析を行い,歯肉線維芽細胞や免疫細胞が歯周組織の急性炎症に及ぼす影響を報告してきた.現在,発表者らは抜歯後の顎堤形態変化を制御し,予知性の高い補綴歯科治療を達成するため,シングルセル解析を応用した抜歯窩治癒の免疫機構の探索を進めている.
本講演では,シングルセル解析に興味はあるが,なかなか手を出せない若手歯科補綴学研究者の背中を押すために,発表者のこれまでの経験や研究内容を基にシングルセル解析の有用性や実験に必要な知識や技術,どこまでの作業を自分で行うべきかを解説し,歯科補綴学研究におけるシングルセル解析の可能性について議論したい.