公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

講演情報

イブニングセッション

現地発表

イブニングセッション3
補綴歯科医が考えるPostコロナ時代のフレイル予防戦略-栄養,精神心理,社会的要因から-

2024年7月6日(土) 18:00 〜 19:00 第4会場② (幕張メッセ国際会議場 3F 301-2 )

コーディネーター:後藤 崇晴(徳島大)

[ES3-1] 補綴歯科医が考えるPostコロナ時代のフレイル予防戦略-栄養,精神心理,社会的要因から-

*駒ヶ嶺 友梨子1 (1. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野)

[Abstract]
 現在,高齢者のフレイル予防について,さまざまな地方自治体がホームページなどで取り上げ,大学などの研究機関と協力してフレイルの予防方法に関する研究を行っています.また厚生労働省のホームページにおいても,フレイルの予防を目的としたパンフレット(「食べて元気にフレイル予防」)が作成され,誰でもダウンロードをすることが可能となっています.このパンフレットは2020年版の食事摂取基準を利用して作成されており,どういった食事をとればフレイルの予防につながるのかが,わかりやすく説明されています.このように食品・栄養摂取はフレイル予防の対策の一つであることは自明となっています.一方で,令和元年の国民健康・栄養調査の結果で,食習慣の改善の意思についての質問に対しては,「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した者の割合が男女全体で最も高く,その次に「食習慣に関する問題はないため改善する必要はない」と回答した者の割合が高かったことが報告されています.さらに,70歳以上では,男女ともに「食習慣に関する問題はないため改善する必要はない」と回答した者の割合が一番高いことが示されました.このように,フレイルに関する関心は全体で高まってはいる一方で,自分は食習慣に問題はないと感じている高齢者が多いという現状から,食品・栄養摂取の関連からのフレイルの予防方法の確立は重要であると感じています.
 上記も踏まえて,今回のイブニングセッションでは,私は高齢者の補綴と食品栄養摂取に焦点を当ててお話しをさせていただきます.