公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

講演情報

ポスター発表

現地発表

症例

2024年7月7日(日) 12:00 〜 13:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際会議場 2F コンベンションホール B)

[P-136] 連続2歯欠損に対しジルコニアカンチレバー接着ブリッジで審美回復した一症例

*寺尾 陽一1、大川 友成1、伊藤 彩1、中村 健太郎1、山本 司将1 (1. 東海支部)

[Abstract]
【緒言】
 下顎中切歯欠損に対しては,インプラントの成功率は低いとの報告がある1).また連続2歯欠損に対し,接着技術を応用した審美回復の症例報告は日本ではまだない.接着カンチレバーブリッジ(Resin-Bonded Fixed Dental Prostheses以下,RBFDPs)は,2リテーナー型の接着ブリッジよりも優れた臨床成績であると報告されている2).そこで今回は,下顎前歯連続2歯欠損に対し,ポンティック隣接面デザインを考慮したRBFDPsで審美回復を行った症例を報告する.
【症例の概要・治療内容】
 患者は初診時34歳男性.主訴はA¥bddah¥Aの動揺と審美不良である.審美回復の方法として,乳歯の抜歯と2¥bddah¥2を支台歯とするRBFDPsを計画し,患者の同意を得た.抜歯と同時に人工歯を含むスプリントを装着した.歯科技工士立ち合いのもと,モックアップ3)の試適,シェードセレクションを行い,形態,舌感に問題がないことを確認した.審美性を考慮しポンティック基底面形態をモディファイドオベイト型としたRBFDPsは,フレームワークに3Y-TZPのジルコニアマテリアルを使用し,ジルコニア用陶材を築盛し作製した.試適は,ポジショニングスプリント3)を使用し,形態と色調,舌感に合意が得られた.接着は,接着性レジンセメント(パナビアV5,クラレノリタケデンタル,新潟,日本)を用いてラバーダム防湿下で行った3)
【経過ならびに考察】
 下顎前歯連続2歯欠損に対し,RBFDPsを装着した結果,審美回復による患者のQOL向上がOHIP‐J54により確認できた. 連続2歯欠損においても低侵襲なRBFDPsは,患者のQOL向上に有用であった.
【参考文献】
1)鈴木郁夫.当施設における15年間のインプラントの脱落原因に関する解析.松本歯学2014;40:91-104.
2) 矢谷博文.オールセラミックカンチレバーブリッジの生存率と合併症:文献レビュー.日補綴会誌 2020;12:222.
3) Kern M. RBFDPs Resin-Bonded Fixed Dental Prostheses. Minimally invasive-esthetic-reliable: Quintessense Publishing Co. Ltd; 2018, 140-170.
(発表に際して患者の同意を得た.)