公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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有床義歯

2024年7月6日(土) 12:00 〜 13:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際会議場 2F コンベンションホール B)

[P-21] CBCT印象法による3Dプリント義歯製作法の可能性について

*玉置 勝司1、Al-Qassab Bashar2、Al-Taai Auday3 (1. 神奈川歯科大学、2. アルアイン・スペシャライズド・メディカル・センター、3. アルマラク・エステティック・センター)

[Abstract]
【目的】
 無歯顎顎堤の三次元形状は,これまで形状記録ができる材料を患者の口腔内に一定時間(3~4分間)留め,硬化後に口腔外に撤去する直接法であった.無歯顎患者は高齢で口腔内の機能が低下し,印象材料の誤嚥のリスクもある.このような高齢患者の身体的負担を考慮し,可撤性義歯製作のための新たな印象法としてCBCT撮影法に着目している.今回は,これまでの先行研究1),2の結果から,歯科用の適合試験材を用いたCBCT印象術式の可能性について報告する.(研究倫理承認番号:神奈川歯科大学 第903番)
【方法】
 CBCTは,神奈川歯科大学附属横浜研修センター,放射線科の3D (Accuitomo F17, モリタ製作所,日本)を使用した.ボクセルサイズ:0.250×0.250×0.250mm,FOV:直径170 ×高さ120 mm,再構成フィルタ:G_001,照射条件:管電圧:90.0 kV,管電流:6.0 mA,照射時間:17.5 secとした.3.CBCT DICOMデータの処理(1) 撮影した画像データをDICOM形式で出力し,適合試験材の形状を抽出し,STLデータへ変換(In Vesalius 3.1, CTI)(2) 生成したSTLデータから顎堤粘膜表面の境界面データのみを抽出し,再度STLデータとして出力(Meshmixer 3.5.474, Autodesk)4.3Dプリント義歯製作(S-WAVE®,松風,日本)
【結果と考察】
 今回はCBCT DICOMデータから,3Dプリント義歯製作に必要なSTLデータ変換において,ノイズにより顎堤粘膜面の抽出処理が容易ではなかった.現時点では患者の顎堤粘膜への高い適合性は期待できないが,無歯顎顎堤粘膜のCBCT印象法の可能性が示唆された.
【参考文献】
1) Bashar Alqassab,Auday Al Taai,須藤真行,生田龍平,玉置勝司. 無歯顎患者のデジタル義歯製作法に関する研究 第4報CBCTによる顎堤粘膜3次元構築. 日補綴会誌 2021; 13・130 回特別号: 126.
2) アルタアイウダイ,アルカッサブバッシャ―ル,須藤真行,玉置勝司.歯科用CBCTによる無歯顎顎堤粘膜の印象精度に関する研究.日補綴会誌 2022; 14・131回特別号: 223.