[P-55] Evaluation of durability of shear bond strength to PEEK
[Abstract]
【目的】
近年,従来のハイブリッドレジンブロックとは異なる種類の材料であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂からなる材料が上市されている.PEEK樹脂は強靭性,衝撃吸収性,生体親和性など補綴装置として優れた特性を有する.しかしながら,従来のハイブリッドレジンブロックの接着に使用されているシランカップリング剤ではPEEK樹脂に対する接着性能が十分に発揮されない場合がある.そこで,当社ではPEEK樹脂材料を含むレジン材料への前処理に使用することが可能であるCAD/CAMレジン用アドヒーシブを開発した.今回,CAD/CAMレジン用アドヒーシブと接着性レジンセメントを用いてPEEKを接着した試験体に対して繰り返し荷重をかけた際の耐久せん断接着強さについて評価を行なった.
【方法】
松風ブロックPEEKから厚み5mm,直径4mmの試験片を作製した.試験片にアルミナサンドブラスト処理したものをPEEK試験体とした.次に,チタン円柱の被着面にアルミナサンドブラスト処理したものをチタン試験体とした.PEEK試験体に対してCAD/CAMレジン用アドヒーシブを塗布し,歯科重合用光照射器であるペンブライトを用いて光照射を行なった.PEEK試験体の前処理面に対して練和したビューティリンクSAを塗布し,チタン試験体に合着した後にPEEK試験体に対して垂直に200Nの荷重をかけて余剰セメントを除去した.セメントマージン部に対してペンブライトを用いての光照射を行なった.その後,作製した試験体を37℃水中に24時間浸漬を行ない,万能試験機(INSTORN社製)を用いて,剪断接着強さを測定した場合を初期接着強さとした.さらに,PEEK試験体の垂直方向から動的疲労試験機(INSTORN社製)を用いて15Hz,50-500Nの条件で100,000回または1,000,000回の繰り返し荷重をかけた後に剪断接着強さを測定し,測定結果を統計処理した(ANOVA, Tukey’s, α=0.05).
【結果と考察】
試験結果を図に示す。PEEK試験体に対して繰り返し荷重を行なった前後で接着強さに有意な差は確認されなかった.PEEK樹脂に対してCAD/CAMレジン用アドヒーシブを用いた前処理を行うことで良好な接着強さが期待されることが示唆された.
【目的】
近年,従来のハイブリッドレジンブロックとは異なる種類の材料であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂からなる材料が上市されている.PEEK樹脂は強靭性,衝撃吸収性,生体親和性など補綴装置として優れた特性を有する.しかしながら,従来のハイブリッドレジンブロックの接着に使用されているシランカップリング剤ではPEEK樹脂に対する接着性能が十分に発揮されない場合がある.そこで,当社ではPEEK樹脂材料を含むレジン材料への前処理に使用することが可能であるCAD/CAMレジン用アドヒーシブを開発した.今回,CAD/CAMレジン用アドヒーシブと接着性レジンセメントを用いてPEEKを接着した試験体に対して繰り返し荷重をかけた際の耐久せん断接着強さについて評価を行なった.
【方法】
松風ブロックPEEKから厚み5mm,直径4mmの試験片を作製した.試験片にアルミナサンドブラスト処理したものをPEEK試験体とした.次に,チタン円柱の被着面にアルミナサンドブラスト処理したものをチタン試験体とした.PEEK試験体に対してCAD/CAMレジン用アドヒーシブを塗布し,歯科重合用光照射器であるペンブライトを用いて光照射を行なった.PEEK試験体の前処理面に対して練和したビューティリンクSAを塗布し,チタン試験体に合着した後にPEEK試験体に対して垂直に200Nの荷重をかけて余剰セメントを除去した.セメントマージン部に対してペンブライトを用いての光照射を行なった.その後,作製した試験体を37℃水中に24時間浸漬を行ない,万能試験機(INSTORN社製)を用いて,剪断接着強さを測定した場合を初期接着強さとした.さらに,PEEK試験体の垂直方向から動的疲労試験機(INSTORN社製)を用いて15Hz,50-500Nの条件で100,000回または1,000,000回の繰り返し荷重をかけた後に剪断接着強さを測定し,測定結果を統計処理した(ANOVA, Tukey’s, α=0.05).
【結果と考察】
試験結果を図に示す。PEEK試験体に対して繰り返し荷重を行なった前後で接着強さに有意な差は確認されなかった.PEEK樹脂に対してCAD/CAMレジン用アドヒーシブを用いた前処理を行うことで良好な接着強さが期待されることが示唆された.