[SY1-1] 口腔機能と食品・栄養摂取:栄養疫学からの知見
[Abstract]
生命と健康を支えるために我々は食事を取り栄養を摂取しなければならない.「栄養」というと,その中身(栄養素)に耳目が集まりがちであるが,そもそもそれを「食べる能力」がなければ,どんな栄養素も役に立たない.これは歯科の分野である.ところが残念ながら,(少なくとも我が国では)歯科学と栄養学の連携や情報交換はそれほど活発ではない.(注:日本では栄養学研究は極めて低調で研究・高度教育を目的とする大学・大学院はごくわずかしか設置されていない)敢えて口腔(特に歯)を食べる道具と考えると,「何をどれだけ食べ(られ)るために」という考え方から始めなければならない.このための基本的なガイドラインが「日本人の食事摂取基準(dietary reference intakes)」である.エネルギーと34種類の主要栄養素の摂取すべき量(1日あたり)が性・年齢区分別に示されている.これは,典型的な「栄養学分野の定量的系統的レビュー」であり,示されている数値だけでなく(それ以上に)栄養学の考え方や研究成果に基づく考察が参考になる.食事摂取基準では,栄養素については摂取すべき量は目的別に推定平均必要量と推奨量(補助的指標として目安量),耐容上限量,目標量という5種類の指標で定められている.このうち目標量はいわゆる生活習慣病の発症予防を目的としており,この値の算定は主に栄養疫学研究の知見に拠っている.本発表では,目標量を手掛かりに,口腔機能と食品・栄養摂取の関連について,栄養疫学の考え方と重要な知見を紹介したい.
トピックス
●口腔機能
●栄養疫学
●食事摂取基準
生命と健康を支えるために我々は食事を取り栄養を摂取しなければならない.「栄養」というと,その中身(栄養素)に耳目が集まりがちであるが,そもそもそれを「食べる能力」がなければ,どんな栄養素も役に立たない.これは歯科の分野である.ところが残念ながら,(少なくとも我が国では)歯科学と栄養学の連携や情報交換はそれほど活発ではない.(注:日本では栄養学研究は極めて低調で研究・高度教育を目的とする大学・大学院はごくわずかしか設置されていない)敢えて口腔(特に歯)を食べる道具と考えると,「何をどれだけ食べ(られ)るために」という考え方から始めなければならない.このための基本的なガイドラインが「日本人の食事摂取基準(dietary reference intakes)」である.エネルギーと34種類の主要栄養素の摂取すべき量(1日あたり)が性・年齢区分別に示されている.これは,典型的な「栄養学分野の定量的系統的レビュー」であり,示されている数値だけでなく(それ以上に)栄養学の考え方や研究成果に基づく考察が参考になる.食事摂取基準では,栄養素については摂取すべき量は目的別に推定平均必要量と推奨量(補助的指標として目安量),耐容上限量,目標量という5種類の指標で定められている.このうち目標量はいわゆる生活習慣病の発症予防を目的としており,この値の算定は主に栄養疫学研究の知見に拠っている.本発表では,目標量を手掛かりに,口腔機能と食品・栄養摂取の関連について,栄養疫学の考え方と重要な知見を紹介したい.
トピックス
●口腔機能
●栄養疫学
●食事摂取基準