[2025] 生活を支えるインソールの工夫
【はじめに】
人間の主たる移動様式は直立二足歩行であり,人間としての機能的基盤はここにある。一旦ここに支障を来せば人間生活にさまざまな支障をきたし,生活範囲を制限し,人の生きがいまでも低下させることになる。如何に人間が死ぬまでずっと歩き続けられる生活を維持してあげることができるのか。このことは理学療法士が関わる業務の大きな目的の一つになってくるものであると考える。
唯一地面に接地する足部は,支持基底面の変化に対して対応し,また上位からの荷重による重心移動の変化に対しても対応させなければならない。その足部をさまざまな外乱に対して適応させるためにインソールがあるという認識が必要になってくる。そこで今回は私が長年臨床で行っている入谷式足底板の概要,その評価法,処方の仕方について若干の症例を供覧しながら説明したいと思う。
【入谷式足底板の概要】
入谷式足底板は単に踏まず支えや荷重免荷などを目的としたものではない。歩行動作を中心とした荷重時のメカニカルストレスを解放させ,また身体の動きをより効率の良いものにすることを目的としている。したがって疼痛などの症状の改善は元より,歩きやすさ,安定感,疲労しにくいなどの生活への質を向上させることが可能になる。入谷式足底板は解剖学的観点,力学的観点,感覚入力からの脳への刺激を考慮した神経学的な観点から処方していくものである。以下にその特徴について記す。
①テーピングやパッドを用いた評価により,足部関節肢位および高さを決定してから作製する(足底板作製のための直接的評価)。
②足底板や作製後の微調整は歩行動作を中心としたさまざまな動作を確認しながら行う。
③身体全体の動きを制御することを目的としているために,両側に作製することを基本とする。
④個人個人の適切な荷重方向を探り,その荷重方向に応じた足部誘導をすることを基本とする。この評価により距骨下関節の誘導と第1列の誘導を示唆させる。
【足底板作製のための直接的評価】
入谷式足底板では,テーピングやパッドを用いて直接的評価を行い,その上で足部関節肢位および足底板の各部位の高さを決定している。具体的には距骨下関節,第1列,第5列,内側楔状骨矯正,果部誘導で足部関節肢位を決定し,後足部の誘導方法と高さ,そして各横アーチ部分の誘導方法と高さの評価を行う。またさまざまな各種パッドを用いて微調整のための処方を決定する。
直接的評価の段階で,確実に疼痛等の症状を改善させ,動きが矯正されていることが前提になければならない。このような形で評価を行うことで,確実な足底板の処方を自信をもって行うことができる。
【入谷式足底板処方の作製手順】
入谷式足底板では直接的評価によって,足部各関節をどのように誘導し,そして高さを決定して作製する。直接的評価で,確実に疼痛の改善や動きやすさ,安定性を確認しているために,そのまま反映したものが作製できれば確実な結果を生む。その手順は下記のごとくである。
①中敷きベースの作製
②足へのマーキング
③アーチパッドへのマーキング
④アーチパッドへの直接的評価の記載
⑤中敷きベースへのアーチパッドの輪郭とマーキングポイントの記載
⑥アーチパッドの研磨
⑦中敷きベースへのアーチパッドおよびその他のパッドの貼り付け
⑧貼り付けた中敷きを靴の中に入れて,歩行動作を確認と微調整
⑨中敷きの裏側に覆いをかける。
そして症例に応じてフォローアップを行う。
人間の主たる移動様式は直立二足歩行であり,人間としての機能的基盤はここにある。一旦ここに支障を来せば人間生活にさまざまな支障をきたし,生活範囲を制限し,人の生きがいまでも低下させることになる。如何に人間が死ぬまでずっと歩き続けられる生活を維持してあげることができるのか。このことは理学療法士が関わる業務の大きな目的の一つになってくるものであると考える。
唯一地面に接地する足部は,支持基底面の変化に対して対応し,また上位からの荷重による重心移動の変化に対しても対応させなければならない。その足部をさまざまな外乱に対して適応させるためにインソールがあるという認識が必要になってくる。そこで今回は私が長年臨床で行っている入谷式足底板の概要,その評価法,処方の仕方について若干の症例を供覧しながら説明したいと思う。
【入谷式足底板の概要】
入谷式足底板は単に踏まず支えや荷重免荷などを目的としたものではない。歩行動作を中心とした荷重時のメカニカルストレスを解放させ,また身体の動きをより効率の良いものにすることを目的としている。したがって疼痛などの症状の改善は元より,歩きやすさ,安定感,疲労しにくいなどの生活への質を向上させることが可能になる。入谷式足底板は解剖学的観点,力学的観点,感覚入力からの脳への刺激を考慮した神経学的な観点から処方していくものである。以下にその特徴について記す。
①テーピングやパッドを用いた評価により,足部関節肢位および高さを決定してから作製する(足底板作製のための直接的評価)。
②足底板や作製後の微調整は歩行動作を中心としたさまざまな動作を確認しながら行う。
③身体全体の動きを制御することを目的としているために,両側に作製することを基本とする。
④個人個人の適切な荷重方向を探り,その荷重方向に応じた足部誘導をすることを基本とする。この評価により距骨下関節の誘導と第1列の誘導を示唆させる。
【足底板作製のための直接的評価】
入谷式足底板では,テーピングやパッドを用いて直接的評価を行い,その上で足部関節肢位および足底板の各部位の高さを決定している。具体的には距骨下関節,第1列,第5列,内側楔状骨矯正,果部誘導で足部関節肢位を決定し,後足部の誘導方法と高さ,そして各横アーチ部分の誘導方法と高さの評価を行う。またさまざまな各種パッドを用いて微調整のための処方を決定する。
直接的評価の段階で,確実に疼痛等の症状を改善させ,動きが矯正されていることが前提になければならない。このような形で評価を行うことで,確実な足底板の処方を自信をもって行うことができる。
【入谷式足底板処方の作製手順】
入谷式足底板では直接的評価によって,足部各関節をどのように誘導し,そして高さを決定して作製する。直接的評価で,確実に疼痛の改善や動きやすさ,安定性を確認しているために,そのまま反映したものが作製できれば確実な結果を生む。その手順は下記のごとくである。
①中敷きベースの作製
②足へのマーキング
③アーチパッドへのマーキング
④アーチパッドへの直接的評価の記載
⑤中敷きベースへのアーチパッドの輪郭とマーキングポイントの記載
⑥アーチパッドの研磨
⑦中敷きベースへのアーチパッドおよびその他のパッドの貼り付け
⑧貼り付けた中敷きを靴の中に入れて,歩行動作を確認と微調整
⑨中敷きの裏側に覆いをかける。
そして症例に応じてフォローアップを行う。